第6話 商業ギルド

朝、目が覚めると見覚えのない部屋にいた、、、


そうだ!


俺は多分死んで異世界に転生したんだった

、一瞬忘れてたよ(笑)


しかも板張りにシーツだけのベッドに寝ていたからか体がバッキバキだ


とりあえずスキルの「店」でサンドイッチとコーヒーを買って朝食にしよう「ポチッとな」


『パラララ、パッパッパー』


レベルが上がったようだ。



ちなみに昨夜眠りに落ちる直前にもレベルが上がったのだが、眠過ぎて何のリアクションもする事なくスルーしたけどな



しかし、寝てる間に何処で経験値を得たんだ?痛みに絶えて寝たからだろうか?


レベルに関してはイージーモード?




とにかく今日はこれから商業ギルドに行ったり、市場調査したり商売したりで忙しいのだ!




朝食を食べた俺は現在朝市に来ている。時間は午前7時頃だろうか?宿の女将さんによると日の出と同時に朝市はやっているらしい


売られているのは野菜や肉の他に定番のカッチカチの黒パンも売っていた、屋台ではスープや肉串なんかもあり


屋台でいくつか買って食べたけど、基本は薄い塩味か素材だけの味で勝負していて肉は上質な赤身肉って感じで旨かったが、味付けが塩だけだと飽きる!


やはり調味料は高い&希少品で庶民は塩しか手に入らないらしい、食文化はあまり発展してない印象だな。



朝市を後にした俺は商業ギルドにやって来た、ギルドの扉を開けると正面の受付に職員のお姉さんが1人居るだけで他は誰も居ない


そのせいで若干人見知りを発動しつつ戸惑いながらも受付に行ってみる



「おはようございます。本日はどのような御用件でしょうか?」


「おはようございます。この街の商売について色々と聞きたい事があるのですが宜しいでしょうか?」


「勿論です。商売について相談を受けたり支援をするのは商業ギルドの業務の内ですから」



「それは良かった、早速質問なのですがこの街で商売をするのに許可や税金等は必要でしょうか?」


「商売をするにあたり許可は必要ありませんが、店舗を持つ場合は納税義務が発生しますので、手続きが必要となります。露店で商売をする場合のみ税金が免除されますのでご注意下さい。」



露店だと税金が免除されるのはありがたい、それに面倒な手続き等も要らないのは良かった



「では次に、ギルドで商品の買い取りはしていますか?」


「商品の買い取りに関しては原則として、大口取引と稀少価値のあるもののみとなっております。」


「そうするとハチミツを持って来たんですけど買い取りは無理ですよね、そこまで量はありませんし。聞きたい事は聞けたのでありがとうございました。」



まさか大口取引しか無いとは誤算だった、調味料があまり無いこの街ならハチミツをちょっとした贅沢品として定期的にギルドに売って安定した収入源にしようとしたのだが


ハチミツの適正価格は分からんけど露店で売って売れるだろうか?



『ガシッ!』



っ?!


テンションが下がりながらギルドを出ようとしたら突然腕を捕まれた



「お待ちください!ハチミツがあるのですか?」



凄い勢いで受け付けに居た職員のお姉さんが迫ってきた、勢い余って胸が腕に当たってラッキーとか思ってゴメンナサイ。



「えっ?あっ、はい。普通のハチミツですけど・・・」


「普通が何かは分かりかねますが、よければ見せて頂けますか?」


「構いませんよ、これです。」



俺はスキルの「店」で500g、10mpで購入したハチミツの入った瓶を取り出して職員のお姉さんに渡す


ハチミツを受け取ったお姉さんは、色と匂いを丹念に確かめている



「味見をしても宜しいでしょうか?」


「勿論です」



木の匙でハチミツをすくい口に入れた後、お姉さんはたっぷり5秒は沈黙していただろう



「一緒に来てください!」



言うが早いか、またまたお姉さんに腕を捕まれて2Fの応接室っぽい部屋に連れて行かれた


ソファに座らされ部屋から出て行ったお姉さんをおとなしく待っていると


程なくお姉さんが、大人っぽいお姉さんを連れて戻ってきた


しかも、あの特徴的な耳はエルフか?!エルフと言えば耳が長くて金髪スレンダーっていうのが一般的なイメージだと思うが


目の前のソファに座ったお姉さんは、耳は長いが黒髪ショートで程よく膨らんだ胸があり、俺が持っていたエルフのイメージとはかけ離れていた


エルフなのだろうか?それともただ耳が長いだけの人なのか?



「あら?エルフを見るのは初めてかしら?」


「すいません、村から出たのは初めてで人以外の種族を見た事が無かったものですから」


「構わないわよ、他の種族ならそれなりにこの街にもいるけどエルフは私しか街にいなくて珍しがられるのも慣れてるから」



おぉっ!やはりエルフだった、珍しいタイプだな



「えぇーと、それでどうして私はここに連れてこられたのでしょうか?」


「その前に自己紹介をしておきましょうか、私はこのギルドでマスターをしている、ミリアリア・E・スリーピングフォレスト、気軽にミリーと呼んで頂戴」



眠れる森の、E、、、エルフ?



なんだろう、立ってはいけないフラグが立った気がするのは俺だけだろうか?






つづく。

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