リセットケース1 尾方 俊介⑤
引っ越しや会社の準備などをしはじめて1か月
ようやく落ち着いてきたため、転勤メンバーで懇親会を開くことにした
新入社員の横溝に幹事を任せることにした
この横溝という社員は、生真面目で言われたことしかしない
”いまどき”社会人だった
転勤メンバーは少なく、いつでも撤退できるように
少人数でスタートになった、見込みがありそうなら人数を増やすらしい
部長に横溝の教育係も任されていたため、転勤にもセットで送り込まれた
(絶対、押し付けられた!こいつをうまく扱えるのが俺だからって)
でも、俊介は後輩の面倒見が良い
兄への憧れもあり、ずっと自分の妹か弟がほしかった
親には、縁があったらね~と言われ結局縁がなかった
そのため、柴犬のような不器用な横溝を見捨てることが出来なかった
根気よく教え、そのくらいわかるだろうという答えにも付き合ってきた
「先輩!お店どこにしますか?」
「まずは、みんなの意見を聞いておいで。なるべくみんなが食べたいものの方がいいからな」
「わかりました!僕は、イタリアンが良いです!」
(お前じゃねーよ!)
「ははっ。まぁとりあえず頼むな」
・
・
・
「先輩!」
「店決まったか?」
「井上先輩は、中華、倉田先輩は和食って言われました。どうしたらいいですか?」
(・・・・・・・・・・知らねえーよ!自分で考えろよ!)
「・・・それが全部食べれそうなチェーン店が良いんじゃないか?」
「倉田先輩が、チェーンは嫌だそうです!」
(倉田ーーーーーー!)
「倉田先輩には、妥協してもらうか、和食が美味しいレビューのところにしたらいいんじゃないか?」
「井上先輩は、フカヒレが食べたいそうです」
(あの女!!!無理だろうが!会社の懇親会でいくら使う気だよ!)
「フカヒレは、個人で行ってもらおう」
「僕は、イタリアンが良いです!」
(・・・・・・・もうヤダこのメンバー)
懇親会は、駅から少し離れたところに創作居酒屋があったため
みんなの希望が大体決まりそうな、そこにした。
結局、場所は俺が探して決めた
横溝・・・まぁすぐ帰るだの、辞めるだの言わなくなったから
今はいいんだ、うん、少し成長した
倉田先輩としゃべれるようになっただけでも偉いな!うん!
俊介は、期待せずに自分に言い聞かせた
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