第7話 一筋

何事もなく一週間が過ぎる


おはようございます。

ユウキが普段通り出勤する。


ふとナコの席を見るとまだ、出勤していなかった


「いつも俺より早いのに」


朝礼になってもナコの姿がない


「今日休みかな」


ふと掲示板を見るとナコの箇所が

1週間休みになっていた


「ちっ。1週間休みかよ」


お昼、歳の近い上司ナオキにお昼に誘われる


「仕事どう?」

ナオキがラーメンをすすりながら聞いてくる。


「微妙すね、辞めたいっすよもう」


ユウキは仕事に集中できる余裕がなかった。


「あのひとつ聞いていいすか?」

ユウキが重い口調で言う


「どした、急に」


ナオキが箸を止める


「カジタさんってどんな人っすか?」


「なんだ、カジタの話かよ」


「確か入社時近いですよね」


「なにお前人妻好き?」


「違いますよ、ゴホゴホ」


「慌てすぎだよ」


「いや、まあ綺麗な人だなと思って」


「真面目な女だよ」


(真面目…どこがだよ)


「純粋な旦那一筋な女だよ」


(どこがだよ)


「今日も旦那と旅行中だしな」


(どこが真面目な純粋な女だよ、俺にこんなことしといて)


「狙っても無駄だよ」


「あいつ他の男には興味ないから」


「狙ったんすか?」


「狙ってねーよ、いくぞ」


「ちょっと待ってくださいよ」


ナオキは自分が食べるや否いや

すぐに伝票を持ってレジに向かった


(ナオキさん、見る目ねーな。どこが純粋な旦那一筋な女だよ、あの女俺にこんなことしといて)


「ごちそうさまです」

ユウキはムカムカしながらナオキにお礼を言った

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