勇者は戦わない

興梠司

第1話 戦わない勇者

100年前アルファという国は魔物に襲われ破滅されかけたが勇者魔物を倒し破滅をふせいだという逸話がある、現在も勇者は存在しているが勇者は戦うことは無かった。

勇者は戦う理由はないと思っていた、誰が魔物に食べられようが知ったことはないと毎日、食べて寝ての暮らしをしていた。父や祖父も勇者だったのでゼンリが戦いに出ないのであればと、父と祖父が魔物を倒しに出ている。ゼンリは自分の部屋で漫画を読みながら父と祖父が無事に帰ってくることを祈っている、ゼンリは七年前に仲間を亡くしている、魔物に食われ味方を奪われた。そのせいでゼンリは勇者をやめようと思い勇者を辞めた。味方を奪われるくらいなら勇者になっても仕方がないと思い自分の部屋に引きこもる生活を七年間続けた。


「ゼンリ、お父さんが魔物に殺られたわよ」


「なんでおお父さんが??」


「わからないけど、おじいちゃんから連絡が入ったの」

「ゼンリ現場に行ってあげてくれないかな?」


「もう僕は勇者じゃないんだ、僕はもう現場に行くことはないよ」


「いくじなし」と言って母はドアを思いっきり閉めた。ゼンリはゴーグルをかけて仲間に呼びかけた。「聞こえるか?」 3人の仲間から「ok」という返事が聞こえる。

「俺の親父がやられた、状況はわからないが七年間の成果を見せてやろうぜ」

「ok」とまた3人から応答がある、ゴーグルで位置情報を送り七人は三分で山場についた、父は血を流しながら倒れ、他の賢者達も疲弊していた。

「やっと来たか、ゼンリ」

「お前ら後ろに戻れ、勇者がきたからもう安心だ」


マリナが近寄ってきた者を治癒力で直していく、ゼンリが走って雑魚どもを倒していく、七年間の引きこもりの成果がここで出ている。七年前部屋に引きこもり夜中になると部屋を出て魔物狩りをしながら、祖父に勝負を挑んでは負け祖父に勝てるまでは勇者を名乗るのをやめようと思っていた。祖父は父よりも強い勇者だった、父は祖父の剣を使えないが、ゼンリは祖父の伝説の剣を使えるようになっていた。

どんな魔物でも切り裂ける剣を祖父から預かり大ボスみたいなのを見つけた。

じゅんが斧で大ボスを切ろうとしたが切れなかったが大ボスは弱体化した。

「この魔物の妖力を抜いてくれ」と祖父がいう「なんでだよ」とゼンリが言い返すと

「この大ボスは俺たちの仲間を食べたんじゃ、魂だけは返してやりたいんだ」


「わかった、クマール頼む」とゼンリがいいクマールが呪文を唱えて大ボスが浄化され魂が天に返って行く、祖父は魂を見ながら手を供えて魂を送っていく。

「ゼンリよ、頼みがあるじゃが」


「どうせ、旅に出ろって言うんだろう」


「そうじゃ、この世界の軸が歪み始めた、その歪みを直してほしいんじゃ」

「今のお前達ならできる」と頭を下げた。


「いいんじゃない、旅に出よう、七年もここにいたんじゃ私達の力も試せないよ」


「わかったよ」とゼンリが言うと皆が頷いた。七年間四人とも鍛えていた、その実力をみんなが試したかったというのもあるんだろう、みんながみんな旅出たがっていたのでゼンリが断るわけにはいかなかった。

ゼンリ達の旅がここから始まろうとしている

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