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「トラウマになる地獄だった。そこから救出してくれたのがデュークだ。恩人なんだ。元の
「今の話はすべて事実だ」保証するように才藤が頷く。
「しかし、キミは──」コクマーに言う。「システムとの接続をよく解除できたものだ」
「試作品のナノマシンドラッグを
「教団を調べる必要があるってことか。監督官庁の役人が正面玄関から入ったところで、把握できない案件だ」シュウは応じる。「──それにしても、初対面のオレをそこまで信じていいのか?」
「景宮サンの目の奥には、
「結果として協力という形になっても、立場上そうは言えない」
「お堅い公務員サンだ」コクマーは薄く喜色を浮かべる。「
「〈知恵の樹の実〉をアダムとイヴに与えるのか…… 楽園を追われる無垢な人々は気の毒だな。一つ聞かせてくれ。非優遇階層への非人道的な苦痛負荷さえ中止できれば問題ない。そういうことか?」
「それはできない相談だろう」才藤が口を挟んだ。「天国を維持するためには地獄が必要なんだ」
「どういうことです?」
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