受動意識仮説

人は行動するとき

意識が認知する前に

無意識の脳波が先に指示を出し

意識はその行動に後から

辻褄を合わせるのだという


もし、そうなら

わたしの意識が

無意識に支配されているというなら

本当のわたしは

何処にいるというのだろう


実際に分離脳の治験者は

片方の脳で外部の指示に従い

もう片方の脳はその

自分の行動に辻褄を合わせるよう

都合の良い解釈をしたそうだ


もし、そうなら

あの人の

あんな行動やあんな事も

自分自身の過ちも

全て無意識のせいなのだろうか


もし、そうなら

少しは気楽になるというものだ

だってこの意識は受動的なのだから


でも、せめて

無意識が望ましい判断をするよう


でも、せめて

無意識が正しくいられるよう


この美しい景色を

その清らかな願いを

あの優しい心を

この胸に刻もう


意識が

エピソード記憶のために存在するのなら


クオリアが

それを実現するために与えられたのものならば

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