啄ばむ

小鳥が餌を啄ばむように

口づけを交わし

心が溶け合いそうなくらい

瞳の奥

見つめ合う


プラトンの半球説によれば

まるで元は

一つであったかのように

強く抱き合い


あゝでも

許されざる恋

許されざる愛


人は禁じられれば

禁じられるほど


求め合うのだろうか


こんなにも激しく



枯葉が浸る小川の上を

番いの白鷺が飛んでゆく


こんな寒空の下で

お前たちの

啄ばむ餌はあるのだろうか


あゝしかし

あの白鷺になって


飛んでゆけたなら


朝陽に反射する

あの紫色に輝く雲の中へ

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