第9話大神官

マサカリ大僧正は無事に、ビョウマ日本支部にロシア支部長、皇帝ダリアンを連れてきた。

「お世話になりました、大僧正」

「なんの、なんの、皇帝殿今宵はゆっくりお休み下さい。ホホホホ」

マサカリ大僧正は煙の中に消えていった。

「先ずは、皇帝ダリアン殿、日本支部ご到着、ご苦労様でした」

「ビョウマ17世、久しぶりの日本はいいですな~」

「皇帝殿、今宵は歓迎の宴がございます。すき焼きを準備致しました」

「はっ、すき焼き!ありがたい。ビョウマ17世様、お気遣いありがとうございます」


3人の大神官と皇帝ダリアンは部屋へ向かった。

前回のミスがある。3人は毒味役として、和室に座った。

女官が瓶を手にしている。

「南蛮渡来の食前酒、ビールでございます」

先ずは、ガロが中瓶のビールをグラスに注ぎ、一気に飲み干した。

「うんめ……以上ありません」

続いて、ミケ。

「うまっ……問題ありません」

最後に最高大神官ゾラ。

ビールはグラス半分しかなかった。

「ジュルジュル……ゲフッ。問題ございません」

その瓶を女中が皇帝ダリアンに渡した。

皇帝はニコリとし、ビールをグラスに注ぐが入っていない。

「食前酒がないではないか!」

「次」

「すき焼き用の卵でございます」

まず、ガロがかごから卵を1個取り、器に割り入れて毒味した。

「以上ありません」

ミケ。

「同じく。問題ございません」

ゾラ。

「うむ。美味。問題ございません」

「皇帝様、卵でございます」

皇帝ダリアンは卵を割り、器に割り箸で溶いて味を確かめうなずいた。


「続いてはすき焼きでございます」

ガロが、たっぷりと器に肉を入れて毒味した。

「うん、問題無し!」

ミケが、残りの肉と野菜をたっぷりと器にいれて、

「旨い!異常なし」

最後にゾラ。

汁しか残っていないので、横のガロとミケを睨んだ。

「ズルズルズル、問題無し」


「皇帝様。すき焼きでございます」

ダリアンはからの鍋を投げて、

「オレに食わせろよ!何か、食いてぇよ!」

ゾラが、

「皇帝ダリアン様には、たっぷりと卵がありますゆえ。女中、割ってさしあげろ」


女中は生中ジョッキに卵を割り入れ始めた。

「おなご、多少カラが入っても構わん」

全部で15個、ジョッキに生卵を入れた。

それを、皇帝ダリアンは飲み干した。

「旨い、卵であったわ」

と、言い残し皇帝ダリアンは倒れた。


(ドリフ)

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