私の愛した人は? 私と血の繋がった本当の兄だった。

神石水亞宮類

第1話 私の愛した人は? 私と血の繋がった本当の兄だった。





私は、運命的な出逢いをしてしまう。

生まれて初めて、こんなにも男性を愛おしと想った事はない!

彼は? 私の友達が連れてきた複数の中の一人だった。

初めて私は彼を見て、ときめいてしまう。

今まで付き合ってきた男性には、私は相手の男性に

愛情を持てず直ぐに別れてしまっていた。

彼の方は、何度か私にヤキモチを妬かせたかったのか?

女性を匂わす行動や携帯のLINEのやり取りをワザと残し

たりして私の気持ちを確かめようとしていた。





・・・でも?

私は、彼氏にヤキモチを妬くこともないし!

そもそも、本当に好きかどうかも分からなかった。

別に、彼が他の女性と浮気したとしても私はヤキモチを

妬かない自信もあった。

好きかどうかわからない、彼氏と別れるには丁度、都合のいい言い訳

ぐらいにしか考えていなかったからだろう。

私は、彼に“浮気”した事を問い詰めて、嘘だと分かっても

そんな事をするような男性とはこの先、付き合っていけない

とか何とか言って別れる事にしていた。




だからなのか?

運命的な男性と初めて会った時も、私には彼が居たが

直ぐに、別れる準備をしていた。



『ごめん、電話で言う事じゃないかもしれないけど? 私と別れて。』

『えぇ!? どうして? まだ俺達付き合って1ヶ月ぐらいしか経ってないよ!』

『他に好きな男性がデキたの!』

『・・・な、なんだよそれ? 俺の事は、好きじゃなかったのかよ!』

『ごめん、』

『・・・ごめんって、そればっかりか、もういいよ。』

『今まで、ありがとう。』

『・・・・・・』





私は取りあえず! 彼氏と別れてフリーになっておく必要がある

と思い、彼氏とは先に別れる事にした。

これで! 私は彼と何時でも付き合える準備が整った。

彼の名前は、桐辻 理生登 32歳 営業マンだ。

今は好きな女の子も付き合ってる子もいないらしい。

1年前は、付き合っていた子もいたらしく結婚も彼は考えていた

のだが、彼女は他の男性と浮気していた。

その事を知った彼が彼女にその事を問い詰めると......。

彼女から彼は、意外な言葉を聞くことになった。

彼の方が本当は“浮気相手”だったと彼女から突然、知らされる。

彼はショックで直ぐに彼女と別れて、他の女性をもう

好きになったりしないと心の決めたらしい。

それでも、私は彼が好きだ!

そんな彼の心を私が変えさせてみるわ!









・・・そんな時、何十年も会っていなかった“母親”から私の携帯に電話が鳴った。



『もしもし?』

『・・・咲那?』

『えぇ!? お母さん、』

『・・・ううん、元気にしてた?』

『どうしたの? 急に連絡してくるなんて!』

『貴女に、話してなかった事があったから、何処かで一度、会えない?』

『・・・ううん。』





私の両親は、私が生まれて直ぐに離婚した。

私は、父親に引き取られてずっと生活していた。

父親は母親が居ない分、私に寂しい想いをさせないように私との

時間もいっぱい作ってくれた。

それでも、私が反抗期の時は随分と迷惑もかけたと今は反省している。

母と別れて一度も、再婚もせず男で一つで私を必死に育ててくれた父。

でも、まさか!? 私に血の繋がった兄がいるなんて! 母親と会って

聞くまでは全く知らなかった事だった!





私と母は、私の最寄りの駅前の近くにある喫茶店で、待ち合わせて。

淡々と母親から一度も会った事のない兄の話を聞かさせる。




『随分、貴女をほったらかしにしてごめんなさいね。』

『もういいよ、終わった話よ。』

『・・・実は? “貴女には血の繋がったお兄さんがいるのよ!”』

『えぇ!?』

『ごめんね、お父さんから何も聞いてないの?』

『・・・ううん。』

『そうよね! あのこは、私にそっくりだから。』

『私、お兄ちゃんと会いたい!』

『・・・もう、貴女と会ってるみたいよ。』

『えぇ!?』

『貴女のお兄さんの名前は、桐辻 理生登って言うの。』

『・・・そ、そんな、』

『好きになっちゃったとか言わないでよね!』

『・・・えぇ!?』

『彼は正真正銘の貴女の血の繋がったお兄さんなんだから!』

『お母さん、酷いよ! 酷過ぎる!』

『えぇ!?』

『もう二度と! 私に会いに来ないで!』

『・・・咲那、』





【真実】を母親の口から直接聞いて私が愕然とする。

私は、兄への気持ちを切り捨てる事ができなかった。

もう既に、私は兄を愛しているのだ!

私と兄との関係を知っていても......。

“私は兄としてではなく! 一人の男性として彼が好きなのだ! 

この気持ちはもう止められなかった。”




【プルルルル】


『もしもし? 理生登くん!』

『今度の日曜日、咲那ちゃんと会えないかな?』

『うん! 理生登くん、私はどんな事があっても理生登くんの事が

大好きだからね!』

『えぇ!?』

『もう、私は理生登くんしか見えてないから。』

『・・・で、でも? “僕達は血の繋がった兄妹なんだよ。”』

『知ってる! でも、もう遅いわ! 私は理生登くんを愛しているのよ。』

『・・・咲那ちゃん、』

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私の愛した人は? 私と血の繋がった本当の兄だった。 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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