ほたるの瞳は運命の色

あらすじ

時は江戸時代。

吉原という花街ができてから、実に十年程が経った頃のお話。



死んだ人間の魂を自らに呼び戻す、

人間と「何か」の血を引く生き物「れい」。


病弱だった愛する母の死を引きずり、

物書きをしながら「戻」を探し続ける男、東雲 碧しののめ あお


花街を籠の中から見つめる、

齢十四の「戻」の末裔、ほたる。



───ある日、いつもの様に友達と遊んでいたほたるの元に突然現れた女衒ぜげん

ほたるは強引に籠の中に入れられ、強制的に吉原へ連れて行かれることとなった。

女衒に理由を尋ねると、それは耳を疑いたくなるものだった。



一方、吉原で碧が営んでいる遊郭ゆうかくに「戻」が売られたと聞き、急いで吉原へ行く準備をする碧。


容姿端麗と聞く「戻」だが、そこで見たのは、目に光がない人形同然の少女──ほたるだった。

少女を一晩買い、話をしようとするが少女は「戻」についてだけは頑なに話さない。


その日から碧は、ほたるの元へ通うことを決めた。


最初こそ本性を出さなかったほたるだが、毎日自分の元に通う碧にだんだんと惹かれていく───。




平和な日々が続いていたある日の夜、

いつも通り話していた二人の元に事件が起こる。



近くの部屋から聞こえた謎の物音。



静まったかと思った次の瞬間、ノコギリで木を切るような、いや、木よりも柔らかい何かを切っている音が聞こえてきた。


不審に思うも、少しして音が止んだため、その時は誰かが何か作業をしているんだということで話は終わった。


しかし朝方、女郎じょろうの悲鳴が響き、遊郭は騒がしくなっていく。

悲鳴が聞こえた部屋へ向かうと、そこには足首から下が無くなった女郎と綺麗な男の死体が───。



その事件を境に、二人は次々と事件に巻き込まれていく。

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