カルトとブーム Cults & Booms Hunting Demons

なめがたしをみ

mystery

episode.0

 小雨が降り続く。

 聞こえるのは小雨が天から落ちてくる小音と地面に横たわる二人の呼吸音。

 そして、その二人を見下ろす人物の嘲笑う声のみである。

 倒れている片割れの赤髪の男の指が微かに動く。

 それに応じてなのかもう片方の銀髪の男も苦しそうにうめき声を上げた。


 そうだ。まだお前達にはやるべきことがある。

 死ぬなど以ての外だ。

 殺して殺して殺し尽くし。

 喰って喰って喰い漁れ。

 そして、■■■まで辿り着き、自分達の行いが何処まで傲慢で醜悪な事だったかを噛み締めろ。


 そこまで言葉を発するとその人物は二人に背を向けて歩き出す。


「神がいるのであれば二人に加護があらんことを」


 心にもない言葉を吐き捨て、一瞬にしてその場から跡形もなく消え去って行った。


 いつの間にか小雨は上がり、雲の隙間から陽の光が差し込んでくる。

 

 これが、二人が生まれてきて初めての敗北の日にあった出来事である。 

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