第46話 恋愛感情じゃ無いな




「あれ?随分とリヒト早かったね?」


「リヒトさん、随分早く帰られたんですね? まだ出て行ってから、そんなに時間が経っていませんよ!」


前の世界で言うなら体感15分位。


確かに、早いよな。


「だってただ、食事を届けただけだからな…こんな物だろう?」


「リヒト、だけど久しぶりなんだから、積る話もあるだろうし話し位して来ても良かったんじゃない?」


「そうですよ! もう少しゆっくりして来ても良かったんじゃないですか?」


「う~ん確かにそうなのかも知れないけど、積もる話も余りないし、ただ二人とも生活が真面に出来ないから面倒見ているだけだから…そんなに話す事も無いな…しいて言えば幼馴染だから、暫く面倒を見る…それだけだよ」


「リヒト、僕が言えた義理は無いけど? 結構二人って器量良しじゃない? もう少し何か無いのかな?」


「そうですよ!聖女マリアン様は『慈愛の癒し手』、賢者リラ様は『知恵の天使』と呼ばれる凄い美少女じゃないですか? 私みたいな、その化け乳じゃない本物の美少女じゃないですか? 本当に何とも思わないのですか?」


確かに可愛いのは間違いないな。


だけど、それは前世で言うなら『子役』の女の子を大人が見て可愛い。


そういう感覚に近い。


確かに年齢から言えばこの世界なら合法な年齢だが…


う~ん自分が胸が大きい子が趣味だからなのか?


幼馴染だからなのか?


そういう対象には見れないな。


エルザに対しても半分は『『親友』を他の男に取られたくないから』


そんな気持ちも強い。


「幼馴染だからか、あんまりそういう感情はないな。恋愛の対象と考えたことは無いよ」



「ねぇリヒト、それだと僕も恋愛の対象にならない…そう聞こえるんだけど? 僕は違うよね? 今更、好きじゃないとか言わないよね!」


「ああっ、エルザは別だよ! エルザは親友みたいな恋人だな」


これは事実だ。


それに胸も大きくなったしね。


「リヒト、それってどういう事!な.の.か.な?」


少しエルザの目が怖くなった気がした。


「そうだな、俺とエルザは本当に気の合う親友だろう?昔から思っていたんだけどさぁ、エルザが誰かと結婚したら馬鹿が出来なくなるから寂しいな…と良く思っていたよ」


「そう…なんだ…言われてみると僕もリヒトが結婚したら一緒に遊びにくいから嫌だよ」


「だろう? だから、三人の中でガイアと結婚して嫌だなと思ったのはエルザだけだよ」


「そう…なんだ、僕としては喜んで良いのか…ちょっと複雑だけど、まぁリヒトが僕の事好きなら良いや」


「そう言ってくれると助かる…勿論、マリアンやリラだって好きだよ!だけど、それは上手く言えないけど『幸せ』になって欲しいだけだな…簡単に言えば『信頼できる結婚相手が出来たなら』おめでとうと言えるような意味の好き…家族みたいな好きなんだと思う」


「あはははっ、それじゃまるでリヒトは二人のお父さんみたいだね」


お父さん?


確かに、その感情が一番近いのかも知れないな。


「リヒトさんの場合は家事までしているのですから…お母さんですね」


「はぁ~お母さんか…確かに…そんな気持ちかもな」


まぁ、恋愛観じゃないのは間違いないな。










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