怪獣と僕とアルテミス

平松 賀正

第一話 春川創の覚醒


「で、さっきの話に戻るんだけどさ」


 2020年 6月2日

 弓浜市 柚花区


「やっぱりゼノラスはラムダだと思うわけですよ」


 赤信号に立ち止まると、白木冬子しらきふゆこはそう語りかけた。


「こんな一大事になんというか……マイペースだよな、冬子は」

「そうかな?」


 笑いの混じったような声で言葉を返す冬子。ふわりとした色素の薄いミディアムボブは歩く度ゴキゲンに揺れる。

 しかしその隣には、対称的に引きつった笑みを浮かべる者が一人。


「創は真面目さんだよね」


 彼の名は春川創はるかわそうといった。

 信号を渡り、雑草生い茂る川沿いの道を歩いていく。いつも通りの通学路。


「ラムダは主人公の機体がやっぱりかっこいいなぁって、改めて思って。それに必殺技も大好き!」

「ディスチャージスパーク、だっけ」

「覚えててくれたんだ?」

「何度も見せられたからね……」


 創は気付かれないくらいに小さくため息をついた。


「みんな好きだよねぇ。必殺技とかって」

「そりゃあ~なんたって、どんな困難も乗り越えられる必殺技だし!」

「答えになってないっ。というか効かない怪獣も割といるじゃん……」


 そんなことを話している内に、足並み合わせた二人の歩みはやがて橋にさしかかった。今朝は曇り。雲間から差し込む朝陽の下で橋を渡る。


「なんだかまるで、いつも通りの平和って感じだ」

「実際、いつも通りの平和だよ?」

「そりゃあそうだけど。今のところは……」


 橋を渡る人々も、行き交う車も、確かに何も変わるところはないように見えた。冬子はふふんと得意げに鼻を鳴らして再び熱く語り出す。


「やっぱりゼノラスはいいよ。ラムダに限らず。強くて、カッコよくて……いつだってみんなの平和を守るために戦ってる!」

「結局そこに行きつくんだ」

「大事なことはみんなゼノラスが教えてくれるんだよ?」

「オレにはそういうの、良さがイマイチ分からないよ。戦うアニメはみんなそうだ」


 創はこれまで『ゼノラスシリーズ』を全て見せられてきたものの、『冬子が隣にいなければ見ていられないなぁ』などと常々思っているのだった。


「争いごとは昔っからてんでダメだもんねぇ。もう病的だって。ビョーテキ」

「自覚はあるよ」


 それは橋上を吹き抜ける風にさえ押し負けそうな軽い言葉だった。……結局のところ、そうなった原因については創も自覚がないのだから。


「だいじょーぶだよ、私が守ってあげるからっ。今までしてきたみたいにさ……これからも、ねっ」


 冬子は創に微笑みかける。彼女もまた、牙を抜いているという自覚はなかった。

 気付けば橋を渡りきろうという頃。前方に見える青信号が点滅し始めた。


「あっ、渡ろ渡ろ!」


 冬子はセーラー服のスカートをはためかせて走り出した。創も追うように地を蹴る。


 今日も晴天につき、世界は一見して平和にしか見えなかった。



~~~~



 2020年 6月2日

 青柚高校 2年A組教室


「内積って言われてもよく分からんと思うが、高校で教えられる範囲の説明じゃ理解は難しいだろう。『そういうもの』ってコトで、今は納得しておいてくれ」


 男は両手に持ったノートをトントンと教卓に打ちつけながら話す。


「じゃ、6限終わり。このままホームルームにするぞ~」


 2年A組の担任、烏丸歳三からすまさいぞう。普段と変わりないその気だるげな調子にさえ創は『いつも通り』を見出していた。


「例の『月の件』だが……なんともまぁ不思議なことに、今のところ危険な事象は一切見られていないらしい。特別な連絡がない限りは明日も平常授業とのことだ」

「先生~今日ミヤシコ来てないんだけど~」

「今日はまぁ……仕方ないが、明日休んだらサボりだ。連絡しといてくれ」

「は~い」


 白髪頭を掻きながら烏丸は投げやりに言い、教卓を離れる。


「……あ、日誌忘れずにな。今日の日直は春川か、書いたら職員室の私の机にでも置いといてくれ」


 そう言い残して烏丸は教室を後にした。

 今日は朝から飽きるほど話題になっていたが、改めて言及されると口々に皆話し出す。それほどまでに『一大事』なのであった。



「なんで消えちゃったんだろうね、月?」

「消えちゃって大丈夫なのかな?」

「もし月がなかったら地球がヤバい!って話聞いたことあるよ」



 月が消えた。


 昨夜に突然消滅し、ニュースは瞬く間に世界中へと広がった。原因は未だ判明していない。


(まぁ月が消えたって言っても、先生の言う通り他に何か起きてるってワケでもなく……。思ってたよりは平和なのかな、世界って)


「み~んな今日は月の話ばっかりですのう」

「アニメの話に熱を上げ続ける冬子がちょっとおかしいんだと思うよ……」


 創が日誌を机に広げる横で冬子は不満げに口をとがらせていた。学内は朝からこの話題で持ち切りだったため、既に彼女は飽き飽きしているのだった。


「そういや、さっきの数学で中間のテスト返しも出揃ったのか。冬子はどうだった?」

「………は~~~6月ってイヤだよねぇ。雨多いし、祝日ないし」

「誤魔化せてないからね」


 創が呆れてため息をついたその時、教室の扉がガラガラと音をたてて開いた。


「ふゆ~」

「あっ、せいちゃん!」


 声を聞くや否や、にこやかな笑顔で扉へ駆け寄る冬子。そこに立っていたのは一人の女子生徒。


「昨日のシグマ4話見た!? 戦闘すっごく見応えあってよかったよねー! 話も先が気になるし!」

「う、うん。見たけど……こんなときでもブレないねぇ、ふゆは。なんだか安心したっ」


(シグマ……5年振りのゼノラスの新作のことだ。昨日も冬子の家で一緒に最新話を見せられた)


「原点回帰!って感じの怪獣もいいよね~」

「弱点が口の中ってのはちょっと笑っちゃったけど。昔のシューティングゲームのボスかって」


 黒髪を位置の低いサイドテールでまとめ、ヘッドホンを首にかけた少女……夏目星奈なつめせいなはまくしたてる冬子に苦笑しつつも、どこか安堵を感じている様だった。


「そういえばふゆ、今回のテストはどうだったの? 特に数学は私があれだけ教えたんだからきっとー……」

「……は~~6月って祝日ないよねぇイヤだし雨多いし」

「去年の今頃も同じようなこと言ってなかったかしら?」


 星奈もまた呆れてため息をついた。

 彼女は冬子にとって最も仲のいい同性の友人であった。理由は……冬子によるゼノラスの布教が学内で唯一通じた相手だったため。流石に冬子ほどの熱はないものの、創に比べれば純粋に作品を楽しめている。


 創は彼女の顔を見て椅子から立ち上がった。


「夏目さん、ちょうどいいところに。借りた漫画を返しに行こうと思ってて」

「え、えぇっ!? ……な、なに春川ッ!?」

「だから漫画。読み終わったから返そうと思ってたんだ」


 創は鞄から漫画を3冊取り出すと手渡す。星奈は慌てて背負ったリュックを降ろし、ソレを中へとしまい込んだ。

 星奈は顔を赤くしながら一つ咳払いして口を開く。


「ど、どうだった?」

「うん。面白かった! 特に13巻ラストの告白のシーンはびっくりしたよ」

「でしょっっ!? まさか差出人の正体がアヤカだったなんてビックリよね。私も初見は幼馴染ヒロインだからって油断してたわ……」

「流石、夏目さんのおすすめする漫画はどれも面白いや。ありがとう!」


 社交辞令などではなく、心からの言葉だった。

 冬子と違って星奈はジャンルを選ばないタチである。今回借りたのは星奈一押しのややマイナー寄りなラブコメ作品。冬子が好む血の気の多い作品より、星奈のおすすめするモノの方が趣味に合うと創は常々思っていた。


「夏目さんは紙の漫画をいっぱい持ってるよね。最近は電子で買う方がお得だったりすることも多いと思うけど。ほら『サイアーブックス』とか」

「う~ん、でも漫画はやっぱり紙かなぁって。紙ならではの良さとかもあるし、それに……」


 星奈は少し目線を逸らして、恥ずかしそうに言った。


「……こうやって、貸し借りもできるしっ」

「それは確かに。今度はオレの方からも何か貸すよ」

「は、春川の家に私がっ!?!?」

「そこまでは言ってないかな……というか、さっきから調子が変だけど? どこか具合でも……」

「いや別に!! ただ、今朝ちょっと変な夢を見て~」

「夢っ? なになに~~??」


 二の句に窮した星奈は、一呼吸置いて言った。


「夢というのはその~…春川が……ゾ、ゾンビに殺された夢を見てっ!」

「ふふっ、なにそれっ!」

「それはイヤな夢だな……」


 創は僅かに俯く。


「……オレも今朝、イヤな夢を見たよ」

「春川も?」

「よく分からないんだけど、冬子がいない世界の夢だった。ウチの隣は空き地になってるし、学校にも席がなくっててさ。目覚めはホント最悪のなんのって」

「それはなんというか重…………思いやりって感じね~」


 星奈はめちゃめちゃ言葉を選んだ。


「どういう意味かよく分からないけど、ありがとう?」

「う、ううん。別にっ! あーッそういや今日はふゆと元萩のショッピングモールに寄る予定だったんだー!」

「えっそんな予定聞いてな」

「じゃあね春川!!」


 冬子の手を引いて、星奈は逃げるように教室を後にした。


 廊下を駆けながらも彼女は思い悩んでいた。友情について、そして慕情について。


(うぅ、気まずいなぁっ! 私としたことがまさかあんな夢を見ちゃうとは……今までこんな風に思ったことなんてないのにっ)


(だって友達の幼馴染と私が……その)


「……恋人、だなんて」



~~~~



 2020年 6月2日

 柚花区 柚花駅前


 冬子・星奈と別れた創はその後、一人で日誌の続きを書いた。書くことが本当に何もない日と比べ、今日は月の消滅騒ぎでネタに事欠かない。何事もない日々を良しとする創であったが、こういう得をすることもあるんだな、などと思った。


 一人であんまり早く帰ってもしょうがないと思った創は、少し遠回りして帰ってみることにした。電車に乗って冬子たちのように元萩へ出てみる選択肢もあったが、目的もなくただ運賃を払うのはなんだか勿体ない。結局、よく行く学校近い駅前の書店を物色することにした。


「……あ、この作者の新刊。今日発売だったんだ」


 創は棚の目立つところで平積みになっている本に目を留めた。


(前作の『合宿免許殺人事件』は舞台設定の活かし方がすっごく秀逸だったなぁ。冬子も気に入ってくれたし、今回も紙の本で買うかな)


 紙なら貸し借りできるしね、と内心独り言ちる創。一通り店内を見回ってから会計を済ませると店を後にした。


 店を出るや否や、創は駅前広場の時計を見やる。


(……まだ16時半か。でも課題もあるし、そろそろ帰ろうかな?)


 斜陽を受ける雲は茜色を帯び、夕焼け空を彩っている。創は燃えるような西日を横目に家路についた。




 その時だった。




 巨大な影が、視界の端で西日をよぎった。

 炎を纏ったそれはまるで隕石のように橙色の尾を引いて……。


「…ッ!」


 ズシンと、地響きに立ちすくむ。それは十中八九、今しがた見たアレが地面に落下したことを意味していた。


 駅の向こうに見える巨影は緩慢とした動きで、あるシルエットを成していった。それはまるで……。


「怪…獣……?」


 2階建ての駅舎など優に超える巨体。ゴツゴツとした背びれに太い尻尾。

 特段似ているというほどでもない。しかしながら創はゼノラスシリーズの敵キャラクターである『怪獣』を、その大雑把な特徴から想起した。


 怪獣は周囲を見回すように足踏みして向きを変える。……そんなちょっとした動作だけで、怪獣の巨大な尻尾は建物を軽く薙ぎ倒していった。

 まるで映画のCGのように駅前のビルが崩れていく様を、創はただ立ち尽くして見ていた。


 最初はたったの数人。慌てふためき逃げ出した人間の『恐怖』はあっという間に伝播し、やがて駅前一帯はパニックに陥っていく。呆気に取られていた創も、遅れて逃げ出した。


 大通りに入り乱れる人々を追いかけるように、創は怪獣の足音を背にして走る。……しかし、そのとき。


『グギャオォンッ!』


 咆哮と思わしき重く響く音とともに白銀色の光線が創の遥か高く頭上を駆ける。

 そうして光線は五百メートル先のビルを貫き、大穴を穿った。


「ウソ……だろ」


 創は思わず振り返った。遠くに見える怪獣は口をあんぐりと開けた状態で聳え立っている。一目で分かるその破壊力は、人々の混乱をさらにヒートアップさせていった。


 そんな中……創は一人の少年の存在に気が付いた。


 見たところ歳は創と同じくらい。一瞬、少女とも見紛う中性的な美少年。逃げるでもなくただ大通りの真ん中に立っているその姿は、創の目にはあまりに異質に映った。


 周りの群衆は悲鳴をあげ混乱しているにもかからず、他方彼は無言で怪獣を見つめている。創はなんだか、それが放っておけなかった。


「キミっ! 危ないからここはできるだけ遠くに……」

「春川創君」


 少年は創の方を一瞥してその名を呼んだ。


 何故自分の名を?と創は思った。彼にしてみれば、相手は全くもって見覚えなどない顔なのだから。創はやや訝しむような目で見るが、少年は意に介すことなく続ける。


「あの巨大不明生物……見積もられる被害は計り知れないな。奴らの差し金か? ともすればともすれば全人類滅亡という可能性も十分……」

「だから! 今はこの場から逃げ」

「けれど君にそんな最悪の未来を防ぐ力が、『抗う力』があるとすれば?」


 そんなことを大真面目な顔で言う少年には、不思議と引き込まれるものがあるように感じた。


「というか実際、あるんだよ」


 気付いたのは、少年がちょうどそう口にした瞬間だった。少年の背後から何か白い飛行体がこちらへ向かって来ていたのだ。一口に飛行体と言ってもヘリにしてはあまりに大きく、飛行機にしては幅広すぎる。


 謎の飛行体はやがて減速し、停止した。


 それから機械的な音を響かせて変形し始め、


 地に足をつけ、




 ……やがて、鋼鉄の巨人となった。




 それはまるで散々見せられたあのアニメの、主人公が乗っていたロボットのように。


「なんだ…これ……」

「機体の名前は『アルテミス』。現状ある戦力の中で最も多様な兵装を携え、最も高度な戦闘処理能力をもった兵器だ。そして……今これを動かせるのは、君しかいない」

「い、意味が分からない! どうしてオレが……」

「詳しい説明をしている暇はない。君だって分かるだろう?」


 創は状況に全くついていけなかった。突如降ってきた怪獣、訳知りな謎の少年、極めつけには巨大ロボット。むしろ、ついていける方がおかしいとさえ言える。


「乗るのか? 乗らないのかっ?」

「…ッ!」


 しかし自身に迫られている選択肢の意味は、直感的に理解していた。

 創は今まで争いごとを忌避して生きてきた。本当はやりたくない。心の底からは『尻尾を巻いて逃げろ』と、凄まじい拒否感に襲われている。


 ただ、それでも。


「…………オレなんかに何ができるかは分からないけど、でも。確かに何かができるって言うのなら」


 使命感に突き動かされて。


「やらなきゃいけない気がする」


 ほんの微かに、少年が笑みを浮かべた気がした。


「コードを実行して起動するんだ。コード名は『トランスコード・アルテミス』音声認識でいける」

「わ、分かった」


 眼前に聳え立つ、白き鋼鉄の巨人を見やる。


 創は……言い放った!


「トランスコード・アルテミス!!」


 声がその場に響き渡る間もなく、創の体はネオングリーンの光に包まれ浮遊した。

 胸部のハッチが開き、そのまま中へと吸い込まれていく。


『ニューロチップ識別ID照合:010488329:認証完了』

『アルテミス、戦闘モードアンロック』


 そして……アルテミスの瞳は翠玉の如く、鮮やかに光り出した。


「ここがロボットのコックピットか……でもこれ、どうやって動かすんだ?」

『安心してくれ。僕もサポートする』

「うわっびっくりした!? そっか、そりゃあ通信機能くらいあるか」


 暗闇のコックピットの中で少年の声が響く。そこにレバーやボタンの類はなく、唯一アルテミスの視界が映し出されているだけだった。


『アルテミスは脳で直接コントールするんだ』

「脳で直接……『ゼノラスデルタ』のロボットが確かそんな設定だったっけ」

『ゼノラス、か……2020年にはまだ続いていたんだよな』

「えっ?」

『なんでもない。こっちの話だ。それより……来るぞ』


 柚花駅の向こうに立つ怪獣。アルテミスに乗った今なら、肉眼で見るよりはるかに鮮明にその姿を確認できた。


 短い両腕に太い脚、尻尾。いかにもな怪獣といった出で立ちであるが、特徴的なのはその体表。黒くゴツゴツとした体表からはところどころ、紅く輝く結晶が露出していた。


 怪獣はこちらに気付くと、周辺の建物をなぎ倒しながら歩き始めた。


「あとそれから、やりづらいから聞いておきたいんだけど……」

『何だ?』

「君のこと、何て呼べばいい?」

『……千秋律ちあきりつ、それが僕の名前だ。呼び方は好きにしてくれ』

「分かった。……千秋くん、行くよ!」


 未だ心に巣食う拒否感を押さえつけながら、創は一歩を踏み込んだ。

 そのまま大通りを力強く駆けていき、スピードをつけて線路の高架を高く飛び越える。


「行っ……けぇッ!!」


 怪獣との距離を一気に詰め、創は勢いに乗せて天より拳を叩きつけた。


『グォオッッッ…』


 パンチの衝撃に怪獣はよろめくものの、さほどダメージを負っているようにも見えなかった。

「この怪獣……硬いっ!」

『しかし春川くん。今の一撃であの巨大不明生物……キミに合わせて怪獣と呼ぼうか。あの怪獣の体表にヒビが入ったのが見えるかい?』


 律の言う通り、拳がヒットした怪獣の胸部には僅かながらヒビが残っていた。


『あのゴツゴツした体皮を剥がしてやれば、ダメージも通りやすくなるかもしれない』

「でもどうやって!?」

『「アストラルウェポン」を使ってみよう』

「あ、アスパラベーコンっ? 」

『………両腕のアストラルウェポンはアルテミスの最も基本的な兵装だ。換装ナシで様々な武器を使い分けることができる。ここは「ソードアーム」で行こう』

「わ、分かった。やってみる!」


 『Sword-Arm』


 システム音声が流れると同時にアルテミスの右腕は光に包まれ、淡い緑に発光する両刃の剣へと姿を変えた。


「すごい……どうなってるんだこの刃?」

『説明する暇はないと言ったろう。とにかく、それをヒビの隙間にねじ込んで体皮ごと抉り取ってやろう』

「了解っ!」


 創は再度駆け出した。今度は怪獣の側方から接近し、右腕の剣を構える。


「そこだッ」


 胸部のヒビ割れに刃を深く突き刺した。そのまま両足で踏ん張り、右腕に力を込める。


『グゴォオッッ!』

 見事、千秋の狙い通り怪獣の体皮は剥がれ落ちた。切り落とされた胸部の断面はまるで鉱床のような光沢をもっており、怪獣の心臓部と思わしきポイントが橙色の煌めきを放っていた。

「いかにもって感じの弱点だ! このまま一気に……」


 創は怪獣の正面へと回り込み、思いきり振りかぶって斬りつけた。


 ……しかし。


「いま切り落としたばっかりのはずなのに……」

『体皮が……復活している』


 剣身は心臓部に届くことなく、黒く硬質な体皮にかすり傷をつけた。怪獣は怒り、その強靭な尻尾をアルテミスの胴体へと叩きつける。


「ぐあぁッ!!」


 アルテミスは地面に激しく擦られながら吹き飛ばされた。


「うっ、なんなんだあの体皮。しかも、復活した体皮の方が硬かったような……」

『あくまで仮説だが……あれは「かさぶた」のようなモノなのかもしれない』

「かさぶた?」

『ああ。だがこの異常な回復速度、人間とは比べ物にならない代謝だ』

「千秋くん、どうする?」

『……核熱ミサイルならあの体皮を融かすことができるだろう。肩部、背部、脚部にそれぞれ搭載されている』


 創はちらと視界の端に表示されている情報を見た。『MISSILE《ミサイル》』と書かれている下には残弾数が示されている他に、時間とともに少しずつ増加する謎のゲージも見て取れた。


「各部合計でたったの16発か……」

『見ての通り弾薬はそう多くない。使いどころには気を付けてくれ』

「作戦は?」

『ミサイルを発射し、すかさず怪獣に近づき、着弾して体皮が融けた瞬間を狙って心臓部を攻撃する……いけるかい?』

「分からない。でも、やってみる!」


 アルテミスが立ちあがり、自然体をとる。


 創は対象をロックオンして背部ミサイルを4発撃ち出したした。ミサイルは煙で尾を引きながら高く打ちあがり、緩やかに曲線を描いて怪獣の方へと向く。それと同時にアルテミスも距離を詰める。


 攻撃の体勢をとり、創はミサイルの着弾を待ち構えた。



 ……しかし、それは来なかった。



『ギャオォウンッッ!』


 怪獣は口を開き……白銀色の光線を放った。


 しかも、たったの一筋ではない。数えきれないほどの光線が拡散し、一度に放たれた。光線を放つ怪獣はそのまま空を見て頭を大きく振りまわし、合わせて無数の光線も目まぐるしく動く。


 『下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる』という言葉がある。怪獣がまともな狙いをつけているようにはとても見えなかったが、まさしくそれを体現するようにミサイルは全て撃ち落された。


「ミサイルが!?」

『まさかあんな芸当ができるとは……』


 頼みの綱だった核熱ミサイルも容易く無効化され、創は窮地に立たされた。


(なんなんだあの光線っ!? もしあの威力が地上に向けられれば……街は…っ!)


 使命感に駆られて戦いに身を投じた創。

 しかし……これだけ強力な兵器を得てもなお何も守ることが出来ないのか、と。己の不甲斐なさに彼は押しつぶされそうになっていた。


(冬子に、皆に、もしもの事があったら……オレは…ッ!)



 その時、ふと頭をよぎった。



「……口の…中……?」


『グギャオォーンッ!』

 咆哮する怪獣の口の中をコックピット越しに凝視する創。


「……千秋くん」

『なんだい?』

「アストラルウェポンって他にどんな武器が使えるの?」

『アサルトシールド、チェーンアンカー、ドリルアーム、パイルバンカー……』

「それだ!」


 創はこの状況を覆し得る策を思いついた。

 深呼吸し、狙いを定める。


「……もう一度っ、喰らえ!」

『春川君! ミサイルの使いどころには気をつけろと……』


 律の制止は既に遅く、創は今度は肩部ミサイルを6発撃ち出した。同時に猛ダッシュで怪獣と距離を詰め……。


『Drill-Arm』


 アルテミスの右腕の剣が霧散し、入れ替わるようにドリルが形成される。右腕を構えて怪獣の懐に潜り込む創。そのまま……創はドリルを怪獣の口に捩じ込んだ!


 怪獣の口内で凄まじい轟音をたてながら高速回転するドリル。しかし怪獣はもがき苦しみながらも、その目はミサイルを常に捕らえていた。


「上手くいってくれっ……」

『な、何を考えてるんだ春川君! そこにいたらキミもミサイルに当たるぞ!』

「もう…少し……!!」


 ミサイルを撃ち落とすべく怪獣が光線を吐こうという瞬間に、ようやく創は怪獣から離れる。


 怪獣は先程と同じように空へと光線を放った。



 ……しかし、ミサイルはほとんど撃ち落すことが出来なかった。


 怪獣の口からは、たった一筋の光線しか放たれなかった。光線を掻い潜ったミサイルは正確無比に怪獣を狙い、命中する。



 そして、



『Pile-Bunker』


 核熱ミサイルによって溶融した怪獣の体皮。忌まわしき漆黒の装甲が剥がれ落ちた瞬間を創は見逃さなかった。パイルバンカーを左腕に装備し、再び怪獣の懐へ潜り込む。


「そこだぁあッ!」


 淡く緑に輝くパイルを、怪獣の胸部へ向けて高速射出。的確に心臓部を刺し潰した! 致命傷を受けた怪獣はけたたましい悲鳴をあげ、暴れ回る。


『……そうか。あの無数に放たれる光線は、口内で拡散反射させることによって生み出されていたのか』


 アルテミスの視界映像を確認して律は気付いた。

 怪獣の全身至るところには煌めく結晶が露出しており、また体皮を切り落とした時もその断面は鉱床の如く光沢をもっていた。そして……怪獣の口内もまた、同様に結晶状になっていたのである。


 そこにイチ早く気づいた創はドリルを用いて結晶状の口内を削り、その光沢を失わせる策を思いついた。結果、怪獣の口内で光線は反射せず、ミサイルを落としきることができなかった。


 見れば怪獣の体皮は既に修復されているものの、かなり弱っているようである。怪獣はアルテミスに背を向けて逃げ出した。錯乱しているのか、滅茶苦茶な方向へ光線を何度も吐きながら走っている。


 今まではただ暴虐の限り暴れていたのに対し、その姿には生物的な本能が垣間見えるようだった。


『拡大して見たところ、体皮と違って口内はまだ修復されていないらしい。核熱ミサイルも残っている。あとは落ち着いて確実に』

「待って。あの怪獣が逃げてる方向って……まさか」


 青ざめる創。

 あろうことか、怪獣は隣町である元萩方面へ向かって逃げていた。そして進行方向上には……。



「……ショッピングモール!!!」



 冬子が危ない。そう思ったときには駆けだしていた。


 迷うことなく、脇目も振らず。モールには辿り着かせまいとアルテミスの性能の限り創は街を走り抜ける。


「間に…合えぇっ!」


 全力で疾駆しながらアルテミスは両脚部のミサイルを全て打ち出し、左腕のパイルバンカーを構える。ミサイルが命中したのは数秒後……ショッピングモール目前という場所だった。


 体皮が融け出したと同時にパイルを射出し、再び心臓部を貫く。

 押し倒して馬乗りになって、もう一度。


「砕…けろ……ッ!」


『ギュアァァッッッ!!』

 怪獣は零距離でパイルを喰らい断末魔をあげる。やがて音が鳴り止めば、体表に見える結晶は次々に煌めきを失っていき、四肢は重力に屈するようにだらりと落ちた。



 かくして、怪獣は完全に沈黙した。



「はぁ、はぁ……モールは……ッ!」


 創は振り返る。その目に写ったのは……3階フロアからその上の駐車場にかけて、建物中央部が楕円状に貫かれたショッピングモールであった。おそらくは、怪獣が逃げながら吐き出していた最後の光線によって穿たれた穴だった。


「冬子っ! 冬子は無事なのか!?」


 狼狽える創。


 ちょうどその時、本能的に危機感を煽られるような警告音がコックピット内で鳴り始めた。視界の端を見やると先ほどから時間とともに増加していた謎のゲージは満タン近くなっており、赤く点滅している。


『活動限界だ。適当なところで降ろすよ』


 律がそう言うとコックピットのハッチが開き、創の体は投げ出された。

 創が離れると同時にアルテミスの瞳も消灯する。


「あだっ!!……イテテっ。……ここは、モールの4階か」


 体を痛めながらゆっくりと立ち上がる。フロアは粉々になったコンクリートにまみれており、創は学ランの汚れを手で払い落としながら周囲を見回した。


 創が降ろされた場所はショッピングモールの4階。アルテミスがコクピットから最も近い地面に搭乗者を降ろそうとした結果、怪獣によって壁を貫かれたこの場所へと送られたのであった。


「派手にやっちゃって、空がよーく見えるじゃないか。モールの中なのに」


 見上げれば創が立っている周辺の天井はすっかり消え去っていた。壁面も曲線を描いて綺麗に消滅しており、外がよく見える。気付けば今にも陽が沈もうという時間になっているのが分かった。


「上出来だったよ。春川君」

「うわっ! 千秋くん、どうしてここに?」


 横を見ると、駅前大通りで見かけたままの律の姿があった。


「ここに……というか、僕は幻覚のようなものだからね。遠隔で君の脳にアクセスして姿を見せていたというだけさ」

「げ、幻覚? コレが? 嘘でしょ……」


 信じられない、と目を丸めて律を凝視する創。


「今回の戦いはキミの機転で勝利を掴めた。だが……怪獣と、僕とキミアルテミスの戦いはまだ続く可能性がある」

「えっ……」


 創は戸惑い、そして憂いた。またこんな戦いをしなければならないのか、と。


「…ってこんなことしてる場合じゃない! 冬子たちを探さな」

「創ーーーーー!!!」


 律を置いて、瞬く間に声のする方へと振り向く創。

 見えたのは……遠くで手を振る冬子だった。隣には星奈の姿も確認できた。


「冬子!」


 冬子たちは走って創のもとへとやってくる。


「大丈夫、冬子!? どこか怪我とか」

「へーきへーき。かすり傷一つないよ!」

「いきなり壁や天井が吹き飛んだときはビックリしたけどねぇ。ふゆがあとウン十メートル先にいたらヤバかったよ……というか、春川こそさ」


 互いの無事を確かめ合っているところではあったが、それよりも冬子と星奈は創の背後に見えるアルテミスが気になって仕方がないようだった。


「あのロボットから降りてきたみたいだけど……もしかして」

「創がアレに乗ってたのーっ!?」


 冬子は目を輝かせながら黄色い声を上げた。


「う、うん」

「下に見えるのって……か、怪獣っ!? あれを倒したの!? 春川が!?」

「そうなんだけど……でも一人じゃムリだった。そこにいる男の子。千秋律くんって言うんだけど、彼に助けてもらったんだ」

「チアキ? 誰っ? というか……『そこ』って?」

「えっ」


 可愛らしい動作でちょんと小首をかしげる冬子。創が振り返ると、律の姿は見えなくなっていた。


 創は先ほど律の言っていた『幻覚』という言葉を思い出した。


(怪獣にロボットまで出てきたんだ。めちゃめちゃリアルな幻覚っていうのも、ありえない話じゃないのかな)


「でも仮に千秋くんの存在が幻覚だったとして……いま目に見えるコレは、どうしようもなく現実なんだよな」


 ショッピングモールにあいた大穴、崩落した天井。建物内部は瓦礫や割れたガラスなどが散乱している。そして……目に入れないようにはしていたが、ところどころに血だまりも見えた。


 自分にとって大切な人は確かに生きていた。それは喜ばしいことである。ただ……助からなかった命も、確かにあった。ほんのついさっきまで、此処に。


「………そんな顔しないのーっ!」

「うぇえっ!?」


 冬子はムッとした表情で創の両頬をつまみ、酷く不細工な笑顔を無理矢理作ってやった。


 それから手を離すと、温かな微笑みを浮かべる。


「……すごいっ! すごいったらすごいよ! 怪獣を倒しちゃうなんて……それで、私たちも助かったんだしさっ!」


 創の両手を握って、何度も重ねるように冬子は言った。

 しかし、創は依然曇り顔のままだった。


「でも結局オレが救えたのは、小さな手で掬える分だけでしかなかった。『すごい』だなんて囃すのは……よしてくれ」


 冬子の言葉にを聞いていると、『これに甘えてはならない』『振り切らなければならない』そんな義務感が呼び起こされるようであった。


「……私がこんなこと言うのは、創が創だからだよ」

「えっ」

「だって私がこんだけ言ったところで、それでも死んでいった人たちのことはずっと気にするんでしょ。創はそーいう人だもんね? ……だからっ、その分私がヨイショしてるわけですよ」


 冬子はニっと笑った。

 ……『委ねてもいいのだろうか』。彼女の笑顔を見て、不覚にも。創はそんなことを思った。


「冬子、ありが」


 ――パァンッ!!……という、耳を貫くような炸裂音が響いた。


「…ッ!」

「え……」



 冬子が、その場に崩れ落ちた。



 セーラー服の背には穴があいており、穴を中心に紅い染みが広がっている。


「冬…子……?」


 倒れた彼女を抱え、創は音の聞こえた方へと視線を向ける。


「……シミュレーションの最終周、101周目で急遽追加された存在。どう見たって怪しいよなぁとけてみれば、思わぬ収穫があったもんだ」

「ウソ……でしょ? な、なんでっ?」



「なんで………烏丸先生?」



 創のクラス、青柚高校2年A組の担任・烏丸歳三。

 右手に拳銃を携えた彼がそこには立っていた。


「その前に、だ。先に私の質問に答えてもらおう。……千秋律と言ったな? 奴はどこだ」

「冬子ッ!? 冬子……ッ!!」


『パァンッ!!』


「……先生の話はよく聴けと、いっつも言ってるだろう?」


 烏丸は地を撃ち、床のタイルには9mm弾がめり込んだ。

 日常的に顔を見ている教師が銃を持って、こちらに敵意を向けているという非日常。創は状況がまるで飲み込めず、緊迫感に息が詰まりそうだった。


「千秋くんの場所なら……し、知らない。彼は自分のことを『幻覚みたいなものだ』って言ってたから」

「なんだ期待外れだな……まぁいい。取り敢えず今はお前を捕らえて」

「や……めて」


 掠れた声が創の腕の中から聞こえた。


 両手で片膝を支えにして立ち上がり、ゆっくりと、一歩ずつ。冬子が創の前へと出る。


「冬子っ!?」

「に…逃げて……創……っ」

「逃げて、って……な、何言ってるんだよ!?」


 冬子はおもてをあげて烏丸を睨みつけた。


「そっか、アルテミスと交信できなかったのも…先生のせいだったんだ……?」

「そいつはきっとこの『ジャマー』のせいだな。元は千秋をおびき寄せるために用意したものだったが……回り回って、役には立ったらしい」


 烏丸は手中のデバイスをいじりながら、創の顔を見て嫌な笑みを浮かべた。


「さっきの会話を盗み聞いた限り、白木はヤツのことを大して知らないんだろう。なら用はない」

「ダメ…っ、先生の……好きにはさせない!」


 冬子は膝から手を離して立ちあがると、背後の創を庇うように両手を広げた。


「創に手出しはさせない。だって私は、その為に生まれてきたんだから!」

「な…何して……冬子…?」

「逃げて」


 広げたその手は震え、セーラー服は血を滴らせ、しかし創の顔を振り返ることはせずに、冬子は声を絞り出したのだった。


「冬子を置いていけるわけない! 一緒に」

「逃げて……ッ!!」

「邪魔だな」


 ……あの嫌な炸裂音が再び轟いた。


 彼女は最後まで創に背中を見せながら、力が抜けたように膝をつき……やがて顔から倒れてしまった。



 もう二度と動き出すことは、ない。



「ウソ……ふゆが……ッ」

「うぁ…あ……あぁ……ああ…っ!」

「さあ、一緒に来てもら」

「う…ぅ………なんで」


 烏丸はわざとらしく首を傾げた。そしてそんな所作に乗せられるように、創は言葉を勢いのまま吐き出す。


「何で殺した!!」


 逃げろとは言われたものの、逃げられる訳がなかった。

 創は誰に目を合わせるでもなく、ただ俯いて泣き叫ぶ。


「『何で』ねぇ……我々の敵対勢力に与する者であり、かつ利用価値が比較的低いと見積もられたから、かね。まぁ今のお前に理解は難しいだろう。『そういうもの』ってコトで、今は納得するといい」

「なんで……何でだよ……っ」


 創はその場で崩れ落ち、慟哭した。そんな様子を好機と見た烏丸は、創を捕えるため手足に狙いをつけた。

 引き金に手をかける。


 ……ちょうどその時、どこからともなく音が響いてきた。


「な、なにっ!? この音……飛行機の…エンジン?」


 音の主が壁の大穴越しに姿を現す。鈍色のボディ、三角の翼。そしてその裏には機銃を装備した……戦闘機とも言うべき飛行体だった。


 下方から上昇してきた戦闘機はホバリングに移行しその場にとどまる。そして……烏丸へと向けて威嚇射撃を開始した。


「くっ……!」


 不利を悟ってか烏丸は建物内部の方へと退避。その隙を見て戦闘機は格納していたネットランチャーを出し、創と星奈を狙って射出した。


「…っ!」

「きゃっ!」


 戦闘機が再び動き出した。ランチャーを放り、二人の真上を通過する瞬間に砲身を保持していたアームでネットを掴む。そのまま加速し、怪獣の穿った穴を通り抜けて戦闘機はモールを去った。


 その間ネットに揺られる創はずっと、遠ざかっていく冬子の亡骸から目を離せずにいた。



「冬子ーーーーーーーっっ!!!」



 叫びは虚しく空に消える


 創は己の愚昧を呪った。

 ――与えられた借り物の力で脅威を打ち倒し、いい気になっていたのだ。掌を零れ落ちた命もあれば、救えた命もあった……そんな慰めには釣り合っていない、と。


 もはや引き返せないところまで来てやっと気付いた自身の姿は、


心地よい夢から覚醒して、現実に引き戻されたときのように


……きっと滑稽だった。





 第一話 春川創の覚醒

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