第5話 心がチクチクする
「このカフェのパフェ美味しいね」
そんな言葉を言いながらミクは笑みを浮かべる。
そのミクを見ながら美鈴は、良かった、と言いながら笑顔になった。
俺はその姿を見ながらコーヒーを飲む。
それから見ていると美鈴が、私、二人と仲良くなってお友達を増やしたい、と言ってきた。
「うん。.....でもそんな事をしなくても私は.....美鈴さんを友人だって思っていたよ?」
「そ、そうなの?」
「うん。だって.....昭仁の友人は私の友人だから」
「.....優しいんだね」
「だってそうでしょ?普通は」
美鈴は、そう.....なんだ、と呟きながら俯いた。
それから顔を上げて、ゴメン。ちょっとお手洗いに行ってくるね、と立ち上がる。
そして立ち去って行く美鈴。
俺はその姿を見ながら、ゴメン。俺もトイレ行ってくる、と立ち上がった。
ミクは、うん、と微笑みを浮かべる。
☆
「.....どうしたの?昭仁.....」
「.....すまん。付けていた訳じゃないが.....ちょっと話がしたい」
「.....う、うん。何?」
「.....お前何か隠してないか?」
俺がそう指摘すると。
美鈴はビクッとしながら肩を震わせる。
そして、何も隠してないよ?、と言ってきた。
俺はその姿を見ながら、嘘だな、と言いながら美鈴の目をジッと見る。
「.....友人に隠し事は通用しないぞ」
「.....!.....そ、そういうところが.....」
「.....え?」
「わ、私は.....」
言いながら美鈴はジワッと涙を浮かべる。
それから唇を噛んだ。
俺は???を浮かべながら美鈴を見る。
すると美鈴は、高嶺の人だね、と美鈴が呟く。
「.....高嶺の人?」
「私.....ミクさんと友人になるの.....うん。良かったって思ってる。でも胸がチクチクする」
「.....ああ。成程な。.....そういう意味でチクチク.....」
「違うよ」
俺はその言葉に目をパチクリする。
そして美鈴を見ると。
赤くなって俺を見ていた。
チクチクするってのは.....ミクさんが居るから、と。
そういう意味の分からない事を言ってから席に戻って行った。
「.....どういう意味だ?.....理解が出来ない.....」
俺は考えながら顎に手を添える。
しかし何も思い浮かばす。
そのまま席に戻る事にした。
そして席に座るといつものミクと美鈴が居た。
美鈴は何か吹っ切れた顔をしている。
「.....じゃあ改めて親友として宜しくね。美鈴さん」
「うん。こっちこそ宜しくね。ミクさん」
「.....」
結局この喫茶店では何も分からない。
だけど.....まあそれなりにでも。
何かが良くなったのならそれはそれで良かったと思う。
思いながら俺は.....そのまま見つめていた。
☆
「今日は楽しかったね」
「.....そうだな。.....何だか久々に楽しめたよ。お前と一緒に」
「.....そ、そう?」
「.....ああ。楽しかった」
赤くなるミク。
そして俺を見てくる。
俺はその姿を見ながら住宅街を歩く。
もう直ぐ家だな、と思いながら。
するとミクが、ね、ねえ、と言ってくる。
「.....その。.....スーパーでお買い物しない?」
「.....それは俺の食材か?良いよ俺のなんて寄せ集め.....」
「だめ!そういうのは無しだよ」
「わ、分かった。まだ少し時間があるしな」
「うん。付き合って」
そして俺達はスーパーに向かう事にした。
それから業務用スーパーに入ると。
そこに妹が.....居た。
茶髪のラフな服装で俺を見ながら、あれ?にーちゃんそれは.....、と言ってくる。
「.....まさか朔子(さくこ)ちゃん!?」
「そうですよ〜。この何ヶ月かでイメチェンですー」
「朔子。何やってんだお前は?」
「買い物に決まってるでしょ。夕食の」
「.....ああ。.....お前の番だっけ?」
「そうそう」
それから見ると。
冷食ばっかだった。
それはそうか。
俺達はマジに料理が下手くそだもんな。
思いながら見ていると。
「えっと。朔子ちゃん。今度料理教えてあげようか?」
「え?ミクお姉ちゃんが.....?」
「.....うん。.....私が教えてあげる。どうかな?」
「じゃ、じゃあ教えて!有難う!!!!!」
キラキラした目でミクを見る朔子。
それから朔子はミクに料理を教えてもらう事になった。
その時間は明日の放課後、という事になる。
だが.....その放課後は金曜日であり。
まさかあんな事になるとは.....誰が思ったものか。
想像が出来なかった。
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