幼馴染が幼い頃の『なんでもいうことをきく券』というものを今更ながら使ってくるんだが.....!?
アキノリ@pokkey11.1
第一章 疎遠=?
幼い頃の思い出
第1話 なんでもいうこときく券、発動
俺の名前は富山。
富山昭仁(とやまあきひと)。
成績普通、容姿普通。
そんな俺だが.....唯一誇れる点があった。
それは.....美少女の幼馴染!
まあだった筈なのだが。
今の俺にその手札はもう使えない。
何故なら俺が嫌ってしまったから、だ。
というか思春期の関係で疎遠になってしまった。
その為に俺は大欠伸をしながら電車で通学する様な人生を送っている。
そんなある日の事だった。
幼馴染らしき人を見掛けていたのだが。
その後ろにおっさんが立っていて。
幼馴染の尻を触っていた。
あまりの衝撃に俺は、オイ!、とつい声を掛けてしまい。
そのままその幼馴染を触っていたおっさんを捕まえてから。
駅員に引き渡す。
周りの人達も協力してくれた。
有り難い。
「.....昭仁」
「.....何だ」
「その。有難う。.....ちょっと怖かったから」
「.....そうか」
久々に口を聞いた。
俺は思いながら.....幼馴染の友山ミク(ともやまみく)を見る。
髪色は茶色がかった黒髪。
そして顔立ちは完璧な美少女。
それから成績優秀な女の子を、だ。
ミクは震えながら俺を見ていた。
本気で怖かったのだろうけど。
「.....ミク。気をつけろよ。変な奴も居るから」
「.....え?.....あ.....行っちゃうの.....」
「そうだな。それ以上の関係でも無いだろ俺達」
そして俺は駅員の方が、あ、あの!お待ち下さい!、という中。
俺はその場をそのまま立ち去った。
何故かといえば恥ずかしかった、というのもあるが。
逆に言えば幼馴染の迷惑になるかなって思ったのもあった。
☆
学校ではまあヒーロー扱いだった。
俺の事が、だ。
友人の友康も俺を、お前スッゲェ、とか言っていた。
俺はその友人とかクラスメイトが話している光景にちょっとうんざりしたのでそのまま階段を上がって屋上に出た。
それから空気を吸う。
「全く。たかが痴漢を捕まえただけでこの有様とはなあ.....」
そんなつまらない事を呟きながら空を見上げる。
そして盛大に溜息を吐いていた。
すると、つまらないって何が?、と声が。
俺は背後を見ると.....そこにミクが立っていた。
少しだけ赤くなって、だ。
「.....つまらない事じゃないよ。.....君は立派な事をした。1人の女の子を救ったんだよ?」
「つまらないっていうかそれは間違いだな。.....確かに。.....でも俺にとってはそうでも無い事だ」
「そう思っているかもしれないけどなかなか出来る事じゃないよ」
「そうなのかな.....?」
「そうだ。.....俺にとっちゃ大した事ない」
そんな事を言っていると。
ミクが、そう、と言いながらポケットから何かを取り出す。
それから俺に見せてきた。
シミの出来ている紙だ。
何の紙だ?
「これはなんでもいうこときく券。.....覚えてる?」
「.....覚えているってそれは子供の頃の妄想だろ。.....それがどうしたんだ?」
「.....私にとっては妄想じゃない」
「.....え?」
私にとっては大きな事だった。
だけど思春期の事で離れ離れになる。
だけどね。
私は....嬉しかったんだ。
この券があったから頑張れたの、と言ってくる。
「今だからこそのこの券を使いたい」
「.....い、いや!?だから子供の頃の.....!?」
「私にとっては違う。.....私の願い。.....それは私と一緒に登下校して」
「.....!!!!?」
俺は真っ赤になりながらその姿を見る。
そして俺は、な、何を.....!?、と言ってみると。
ミクは赤くなりながら、分かるでしょ?、と言ってくる。
俺は全く分からないまま首を傾げる。
「お願い。せっかくキッカケになったから.....今が!」
「いや嘘だろお前.....!?何故そのキッカケで俺はお前と登下校しなくちゃ.....!?」
「守護だよ。私を守って。お願い」
「.....!」
成程、と納得してしまった。
それから俺は頷く。
そして登下校時に付き合う事になった。
これなら痴漢も防げるだろう、という話だ。
まあそうだな。
それなら納得だ、と思いながら俺は頷いた。
それから俺は守る事にする。
だけど.....何だかかなり違う気がするんだが.....気のせいか?
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