新現代版「猫の皿」

芝サカナ

第1話 苦悩と田舎のカフェ

 男は若かりし頃のことを思い出していた。そう、今日の様な暑い夏の日のことを…


 男は当時骨董買取人だった。各地を巡り骨董品を探し、素晴らしい作品は口先で何とか手に入れ、それをコレクターへと売っていたのだ。しかし中々良い骨董品には出会えない。噂はあってもほとんど偽物で得るからだ。男はそれでもいつか良い骨董品を夢見て探し回っていた。


 ある夏の日、男はとある田舎の地主の家を訪ねていた。しかし骨董品は全て偽物であり、仕方が無く帰路についていた。男が車を走らせていると、和風のカフェを見つけた。男は喉が渇いていたこともあり少し寄ることにした。


 男がカフェに入るとそこには一人の老店主と猫が一匹いたいた。男はカウンターに座るとすぐに老店主にアイスコーヒーを注文した。老店主はかしこまりましたと言った。


 男はこの街について老店主にいくつか尋ねた。何か珍しい品は無いか、と。しかし老店主は知らないとばかりに首を振るばかりだった。


 

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