三章 アンデッド国と進化
第48話 神の領域
「まず、私は旅を続けたいと思っています」
「こっちはどこにどの国があるのか知らないし、ヒスイについて行くよ」
本当はリオさんが受けるはずだった授業で色々と知れた。
なので、この大陸の地図は頭に入っている。
だけど、どこら辺に行きたいかと聞かれると「どこでも」って言う感想が出る。
前世でも自ら旅行に行く事はなかった。
「⋯⋯ヒスイはこの国嫌い?」
「いいえ。好きですよ」
「なら、ずっと居てよ。一緒に遊ぼ! 確かに学校とかあるから毎日ずっとは無理だけど、遊べる時はずっと遊ぼ!」
「リオちゃん。ごめんね。これは私の役目なの。世界を旅して見るってのは。だけど、ある程度見たらこの国に戻って来ます」
「ほ、ほんと?」
「はい! 勿論です」
「⋯⋯分かった。私も王族。我慢する。ヒスイが帰ってくる前に自慢出来る友達作る!」
「えー悲しいなぁ」
ヒスイがわざとらしくそう言う。
人をからかう面白さを感じてしまっているのかもしれない。
「なら作らない!」
「冗談ですよ!」
今後の方針はヒスイが行きたい所に行く、に決まった。
このエドに来たのは影武者としての仕事のためだった。
だけど、今後はヒスイの行きたいところで仕事をする事になる。
影武者としての仕事は難しいかもしれないけど。
「それじゃ、最後に一緒に寝ましょう!」
「うん!」
王族と一緒に寝る旅をしているエルフ。
こんな人をこの世のどこを探せば見つかると言うのか。
本当は二人が起きるまでこの部屋に居たいが、最後の日だから二人だけの時間を用意するべきか。
と、言う建前を用意して俺はこの国から近くの草原へとやって来た。
場所的には国から見えない場所だ。
「さて。使ってみたかったよなぁ」
【龍化】を手に入れた事によって他にもスキルは増えた。
これもリオさんの影武者のお陰だ。
長い間獣人の王として生活した事によって理解度以外の何かが上がったのだ。
さて、ワクワクする感情を抑える事は出来ず、俺は早速スキルを使い始める。
まずは部分的な【龍化】ではなく、完全な姿に成る事にする。
「その前にドッペルゲンガーのスキル確認するか」
確認すると、【能力配合】と言うスキルが派生していた。
ヒスイと出会った当初依頼確認していなかった事を思い出したので確認した。
流石にここまでスキルが増えたらドッペルゲンガーのスキルが増えていると思うのは当然だ。
確認したら案の定。
スキルとスキルを合わせる事が出来る⋯⋯へへ。
と、完全な龍へとなって行く。
クリスタルドラゴンへと変わるのかと思ったけど少し違う。
体がクリスタルドラゴンよりも小さいのだ。
純粋な火力は下がっているが、機動力が上がっている。
正確にはスピードと旋回性能だろう。
龍人からの龍への形態は細身なのかもしれない。
鱗の耐久性は特に変わりないと思われる。
この場合の種族はどうなるんだ?
龍人で決定なのだろうか。
さて次にビャのお陰で手に入れた【龍化】と【獣乱化】を合わせたスキル【龍乱化】だ。
ついでに【狂乱化】と【炎龍化】を合わせて【炎龍乱化】を手に入れた。
ぶっちゃけ【龍乱化】の上位互換となっている。
仕方ないよね。うん。
【狂乱化】が含まれているのである程度予測出来る。
危険だから試すのはやめるか。
次にルーのスキル【獣天化】と【獣魔化】だ。
まずはさっき発見した【能力配合】で合体させる。
出来たのは【獣天魔化】と【獣堕天化】である。まさかの二つ。
と言うかあの団長本当に化け物だな。
二種類の覚醒があるのかよ。⋯⋯獣王も使えたな。
しかも獣王は【獣王化】と言う覚醒スキルもあった。
本当にこの仕事で沢山のスキルを得たな。
さて、本命の【龍化】を合わせる。
【龍天化】【龍魔化】【龍天魔化】【龍堕天化】のスキルをゲット。
だがあくまでスキルなので、天使とか悪魔に成れる訳ではなかった。
悪魔召喚とか試そうかな?
さて、順番に。ついでに【龍王化】もね。
「がぁ」
【龍天化】は真っ白なドラゴンになった。天使の輪がある。
クリスタルドラゴンを母体としてので真っ白な宝石の龍になった。
夜なのにかなりの明るさを放っているのが伺える。
目立つな。
しかもこのスキルを使うと専用のスキルも派生するみたいだ。
【龍魔化】は真っ黒なドラゴンだ。悪魔のような角が生えている。
周囲の光すら取り込んでしまいそうな黒さだ。
後は【龍天化】とあまり変わり様は無い。
【龍堕天化】は中間。
【龍王化】は完全なクリスタルドラゴンよりも少し大きく細い。
さて、次が本命の本命大本命だ。
【獣神化】と【龍化】を合わせる。他の奴ともやってやるぜ。
リオさんに長らく変身していたお陰で理解度はマックスになって、本番も大いに印象を与えれた最高のスキル。
【獣神化】使うと母体のリオさんに近づくが、配合した奴なら関係ないだろう。
【龍神化】【龍天神化】【龍魔神化】【龍堕天神化】【龍王神化】である。ついでに【炎龍神化】も手に入れた。
獣バージョンも勿論ゲットしておく。
多分【龍神化】さえ確認したら他の奴も同じような感じだろうな。
とりま使用。
「ぐっ! ガアアアアアアアア!」
な、なんだこれ。
やばい。
体の奥底、魂から魔力が溢れ出て来る。
やはり偽物の【獣神化】と配合して手に入れたスキルとでは全くの別物のようだ。
【龍神化】だけでも強い力を感じる。
体は大きく肥大化して【龍王化】よりも大きな体だ。
さらに翼は合計四枚へと変わっている。
爪はさらに鋭く太くなっている。
牙も数が増えているようだ。
クリスタルドラゴンが母体なので宝石のような見た目だが、レッドフレアドラゴンだったらどうなっていたんだ?
力のみなぎりが止まった。
体に馴染んだ魔力量は俺の本来の量よりも数十倍もある。
翼を一度動かせば砂の竜巻を起こす程にやばい。
簡単には使えない圧倒的なスキルだった。
龍人に戻る。
「うげ、すげぇダルい」
かなり力を消耗する。
他の神化系は試せないな。
しかし、相当な力を持つのは確かだった。
もう一度ドッペルゲンガーのスキルを確認する。
何かしら増えているかもしれいないと思ったが、何もなかった。
「これ、レッドフレアドラゴンよりも強い奴見たらどうなるんだよ」
さらに強い母体であのスキルを使ったらどうなるのか。
あれは神の領域へと足を踏み入れていただろうか。
神話級の魔物に成れていただろうか。
もしも成れているのなら、配合元のスキルの持ち主であるリオさんとお兄さんは怪物をも超えるな。
「とりま周囲の魔物倒すか!」
少なくとも神化未満のスキルなら大きな消耗はないので、適当な魔物で練習する事に決めた。
どのくらいの力か試さないと、いざって時に使いにくいからね!
◆
本番はまだ先ですよ!!まだ読んでください!!
実はこの能力配合って言うスキル、ゼラニウムと言う名前を授かってから得たスキルです。
その時に確認してないから知らなかったようですね。
出来ればこの文を読んだ方々が三章終わるまで読んでいてくれると嬉しいです!!
最後に評価とか押してくれると励みになります!
今後ともゼラさんとヒスイの旅を楽しんでください!
注意、ちょくちょくタイトルとキャッチコピー変える事があります。
ごめんなさい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます