4章78話 模擬戦再び2
綾の弄りなどがあり少し緊張がほぐれた様子の千奈ちゃんは夢幻結界の中に入っていった。それについて行くようにマナスも入って行く。
「2人とも準備はいいな?それでは千奈 対 マナ模擬戦開始!」
2人は始まると同時に後ろに飛び去り各々の技を発動させた。
「
「【強奪の魔刃・大鎌】」
千奈ちゃんは技名を唱える以外変わったところは見られない。それに比べて劇的に変わったのはマナスの方であった。まるであの死神の鎌のような漆黒の鎌を身の丈に合わなそうなマナスが持っていた。
「うっわ,えげつない武器担ぐんだな。」
「振れるのかあれ?」
などと周りの生徒が話す中先に動いたのは千奈ちゃんだった。
「【ナイフ】やあっ!」
どこにしまってあったのかと言うほど大量のナイフを投擲した千奈ちゃんはマナスの様子を伺っていた。
するとマナスは器用に鎌を回転させナイフを弾く。
かと思われた瞬間ナイフが霧散した。
「「やっぱり、、、」」
雪と千奈は同時に感づく。
「え、え?今何が起こったの?雪ちゃんわかる?」
「マナの能力【魔力強奪】は私の【吸血】と似てるんだよ。おそらくあの鎌が触れた魔力で構成されたものは全て吸収されるんだと思う。ただ私みたいに自分のものには出来ないみたい?見て、あれ。」
綾が雪の指差す場所を見るとマナスの持つ鎌が少し大きくなっていた。
「もしかして吸収した魔力で強くなるの?あの鎌。」
「多分そうだと思う、しかも私は斬りつけて直接血を吸わせないと魔力にロスが出るけどアレは自分を通さない分ほぼ100%鎌の強化に当ててる。長引くと不利だぞ。どうする千奈ちゃん。」
「なんとなくわかってたよ?だから魔力のあまり篭ってないナイフにしたんだし。でももう種が割れたならこっちだって!
(先ほどと同じナイフをマナスに投げる千奈ちゃん。このままではまた吸収されると思うが、、、あのながら前の詠唱が気になる)
マナスは鎌を回転させ防ぐが今度は霧散するのではなく弾いていた。これには弾いた本人もびっくりしていた。
「何をしたの?」
「私の技【真作の贋作】は魔力で武器を作る技でも【贋作の真作】は本物と同じものを作り出す技よ!ただ構造を理解してたり,魔力も【真作の贋作】より使うから結構辛いけど。」
「ッ!魔力が吸えてない!本当に魔力で作った武器じゃないんだね。でもそっちが魔力切れになるのが先だよ?」
「それはそっちでしょ?その大きな鎌重いはずなのに軽々振り回せてるのは奪った魔力で強化してるだけでしょ?雪さんと違って重さの軽減だけにしか使ってないみたいだから身体強化には使えないのね?」
「鋭いね、なら」
「「後は我慢比べ、、、、!」」
千奈ちゃんは空にナイフを浮かべてマナスに投擲を始めた。マナスはと言うと鎌を二つに分けて前と背後に展開し防御に徹することにしたようだ。
勝負は互角のように見え、どちらが勝つか分からないように見えた。が、勝負の決着は思いの外早くついた。
「もう,魔力が、、、後はもう手元にあるこの五本だけ。どうやったらマナスに届くの?そうだ、【模倣変異】これでいけるかも。」
「この勝負私がもらうよ。【強奪の魔刃】魔力解放!【極魔刃】!その首貰うわ!」
マナスが鎌に溜め込んだ魔力を全て刃に込め柄の無くなった刃が千奈ちゃんに向かう。
「負けてたまるかぁー!ぶっつけ本番だけどやるしかない!」
千奈ちゃんは曲がった短刀のようなものを二つ空に投げる。もちろんマナスには当たらなかった。それを気にすることなく今度はマナスめがけて短剣を二つ投げる。
「一度外したのにまた投げる胆力はすごいけどこれじゃ私は倒せないよ!」
刃を動かして弾くマナスだったが弾いた刃に隠れて千奈ちゃんが近づいていることに気が付かなかった。そして空から何かが自分めがけて飛んでくることには気づいた。
「空からさっきの短刀が!?でもこれじゃやられない!これで私の勝ち、、、、!」
「まだだよ!」
「!まずぃ、私は、負けるわけにはいかないんだぁーー!」
2人は各々の最後の力でぶつかり合い土煙に包まれた。
「決着はどうなったんだ、、?」
「双子の勝負凄かった!」
全員が勝敗がついたと確信し土煙が晴れるのを待つ。
そして晴れた先では両者が共に倒れ伏していた。
「模擬戦終了!両者魔力切れにより引き分け!2人ともいい戦いだった。」
マナスと千奈ちゃんの引き分けで模擬戦は終了する。
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