16話:黒猫ゆりかとコラボ配信!? 後編

『じゃあ次は私が選ぶよ!う〜ん…そうだなぁ…あのパズルゲームをやろうか!』


『分かりました』


〈あれ結構難しいよね〉

〈うん、技一つも出来ないw〉

〈アザーちゃんがんば!〉


『私、このゲーム得意だから負けないよぉ〜!』


上から3つのボールが落ちて、色は赤、青、紫、黄色の4色で同色ボールを6つ繋げると消える。それで先にボールが上の枠を超えてしまった方が負けというゲームだ。


このゲームは苦手だけど頑張るぞ!!


ゲームが始まり、ボールが落ちてくる。

僕は技とか使えるほどこのゲームが上手くないので、ただボールを6つ繋げることだけに集中する。


『へいへい、アザーちゃん!ボールをただ繋げているだけじゃ勝てないぞぉ!』


『うぐぐ…』


技を使いたいが落ちてくるペースが速くて、上手くできない。


『ほらほらぁ!ピラミッド!』


黒猫さんは3,2,1と三角錐形にボールを繋げた。このピラミッドの形を作ると、相手にボールが24個落ちてくる。


『あ、あぁ…もう少しで揃ったのに…』


『残念だったね!アザーちゃんは攻撃してこないのかい?このままじゃ私が勝っちゃうぞ!』


〈煽りがうざすぎやろw〉

〈もう少しで揃ったのに何やってんだ黒猫〉

〈アザーちゃん邪魔をするな〉


『皆やっぱりひどいね。だけど、私の勝ちだよ。ヘキサゴォォォン!!』


黒猫さんはボールを輪に繋げた。すると私の方に36個のボールが落ちてくる。ヘキサゴンはこのゲーム最強の技だ。


『あぁ…』


ボールが上の枠を超えてしまったので私が負けた…


『どんなもんじゃいぃ!!三連勝じゃぁぁぁ!!!!』


〈黒猫はもう黙っとけ〉

〈アザーちゃんどんまい〉

〈次あるよ次!〉

〈次は自分で選べるからね!〉


その後は色々なゲームをやったが全部黒猫が勝った。


『ううぅ……』


『私の十二連勝だね。もう諦めちゃう?アザーちゃん』


黒猫さんは推しだから、配信を見ていてゲームが上手いのは知っていたけど…実際にやってみて、ゲームの上手さが関係ないゲームでも負けるなんて…


でも…ここで諦めるなんて出来ないよ…!


『諦めません…!絶対に1勝します!最初にやった戦車のやつをやりましょう!それで勝ちます!』


『戦車のやつで…?さっき負けたのにかい?』


『次は負けません…』


『いい面構えだね…いいよやろうか!これが最後の勝負だよ』


〈アザーちゃん勝てぇ!〉

〈頑張ってぇ〜!〉

〈ファイト!〉

〈最後に勝て!〉


ゲームが始まった。

今回は黒猫は障害物に隠れず、こちらに真っ直ぐ進んできた。


『今回は攻めて来るんですね…!』


『隠れてばかりじゃつまらないでしょ??』


私も黒猫さんに向かって真っ直ぐに進む。

黒猫さんの戦車が真正面に来たときに、両者弾を撃った。


ドゴゴゴゴォォォォンッッッッッッ!!!


両者の弾がぶつかり合い弾け飛ぶ。

二人は弾を撃ち合う。ここからは連打勝負だ!

両者撃って撃ちまくり、撃ち落とす。それを続けていると… 


『うっ…』


黒猫の連打が少し弱まった。指が疲れたみたいだ。


『黒猫さん!私の勝ちです!!!!』


そのまま弾がだんだんと黒猫側で撃ち落とされるようになり…


バゴォォォォォンッッッッッッ……!!!!


『ぐぁぁっ…!』


ついに黒猫の戦車を倒せた。

黒猫は諦めずこちらに進んで来るが、時間になりゲームが終了した。


『まさか、私が戦車のゲームで負けるとは思わなかったよ…何気に戦車のゲームが一番得意だったからね…いい勝負をありがとう』


『いえ…私…13戦中勝ったのは一回だけですし…黒猫さんはやっぱりゲームが上手いなって思いました…』


『そうだけど…』


『負けは負けです…罰ゲームは相手の言うことを一回だけ聞くんでしたよね。お願いします…』 


『じゃあ…これから私のこと黒猫さんじゃなくて黒猫ちゃんって呼んでよ。さんだと他人行儀だし…もっとアザーちゃんと仲良くなりたいからさ』


『黒猫さ…いや…黒猫ちゃん…分かりました…

私ももっと仲良くなりたいのでこれからよろしくお願いします!』


黒猫ちゃんは推しだし先輩だからまだ慣れないけど…


『うん。じゃあ配信を終わろっか』


『はい、皆おつアザー!』


〈おつアザ〜!〉

〈おつアザ!〉

〈乙〉

〈なんか感動したな〉

〈これからはもっと仲良くなってほしいなぁ〉

〈クロアザてぇてぇやった〉

〈ここの組み合わせもありだな…〉


〈このアニメみたいな展開がおもちゃの戦車のゲームで繰り広げられてるのが驚きすぎたw〉

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