君の声を聞かせて

第1話

一色小五郎 父

一色新子 母

一色久能 子供

一色佐納 姉

新島彰 村長

新島奈河妻

新島妃伊那子供


お腹の中の赤ちゃんはすでに死亡しております

全てはこの言葉から始まった


「ちょっと久能、そんなに走ったら追いつかないじゃないの。」

「母さんが歩くの遅いんだよ。」

「だってそんなこと言ったってしょうがないじゃない、だってこんなに買い込んでしまったんだから。」

「だから言ったじゃん、持てないって。」

「持てないってあんた何にも持ってないじゃない、ちょっと手伝いなさい。」

「やだよ。」

「いいから、ほら。」

母は僕に荷物を押し付けてきた

「分かったよ、持ってやるよ。」

僕はしぶしぶ荷物を母の手から取ると肩にかけた

何が入っているかは分からないが、ずっしりと肩に食い込む感触だけはしっかりと確かにあった

「こんな思い荷物持ったの久しぶりだな。」

「そうね、普段は車だもんね。」

「壊してしまったことはすまんな。」

「別にいいのよ、全然、ちょっとした運動になったって思えばそれでいいじゃない。」

「でもそれにしても夕日が綺麗だな。」

「そうね、眩しいくらいに綺麗ね。」

これはただの僕がみんなのを命の危険から救った話

「ねえったら、ちょっともう早く起きなさい、じゃないと学校に遅刻しちゃうわよ。」

「分かったよ、起きるよ。」

僕がリビングでコーヒーを静かにすすっていると、久能が起きだした

「速くしないと学校に遅刻しちゃうぞ。」

「もう、分かったよ。」

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君の声を聞かせて @reina0526

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