03 幼女達との出会い
父さんと共にリビングに入ると、そこには若く綺麗な女性がソファに座っており、幼い女の子三人がわちゃわちゃしていた。
幼い女の子は三人とも大体三歳くらいだろうか?
多分、再婚相手の女性の娘さんなのだろう。
わちゃわちゃしているその小さな子供を見て、俺は心の中でこう呟いた。
(可愛い……!)
何と言うか、保護欲が掻き立てられる小動物のような可愛い動きをしている。
父さんがソファに座っている女性との再婚となれば、俺はこの三人の幼女の兄になる。
懐いてくれるかどうか……、そこだけが不安要素だ。
「初めまして、息子さんの彼方君ですね?」
「あ、はい。
「私は
「はい、よろしくお願いします」
しかし、見た目が若いのに30歳で、かつ三児の母なのか。
いや、父さんは今41歳だし、10歳差の再婚か。
「そして、あそこで遊んでいるのが娘で
「「「あーい!」」」
母さんになる予定となる由佳理さんが、三人娘を呼ぶと元気のいい返事をしながらとてとてと俺の方に寄って来た。
「ひなでしゅ。 よろしくでしゅ、にーたま」
最初に陽愛ちゃんが挨拶した。
しかし、『にーたま』か。
多分、『兄様』と言ったのだろうが、三歳なのか舌足らずになってるな。 そこも可愛いけど。
「わたち、ゆな。 よろしく、にーに」
「まなー。 おにーたん、よろしくー」
「俺は彼方。 よろしくな」
三人に目線を合わせるように座り込み、お互い自己紹介をする。
しかし、三人とも俺に対する呼び方が異なるなぁ。
しかも満面の笑みで、そう呼んでくれるのだから、たまらない。
(一気に三人の天使の兄になったなぁ)
俺は今後、この天使で幼い三人の幼女の兄になると思うと感慨深くなった。
そんな時。
「にーたま、だっこー」
「おっと、抱っこか」
陽愛ちゃんが俺に抱っこをせがんできたようなので、それに応えるように抱っこしてあげた。
「えへへー♪」
抱っこされた陽愛ちゃんは、嬉しそうに俺の頬に頬ずりしてきた。
ああ、可愛いなぁ。
「ひな、ずるーい! まなもおにーたんにだっこされたいー」
「ゆなもー!!」
「ははは、陽愛ちゃんそろそろ下ろすよ。 由奈ちゃんや愛菜ちゃんにも抱っこしてあげないといけないから」
「あい」
嫌がらず、素直にいう事を聞いてくれている。
これは由佳理さんの育児の賜物かな?
陽愛ちゃんを下ろし、由奈ちゃんそして愛菜ちゃんの順に抱っこしてあげた。
二人も陽愛ちゃんと同様、抱っこすると嬉しそうにして俺の頬に頬ずりする。
「彼方、どうだ? この子たちも可愛いだろう?」
「ああ、懐いてくれてるし、なんだか癒される」
「なら、再婚は……」
「構わないよ。 この子たちのためにもしたほうがいい。 俺も立派なお兄ちゃんにならないといけないしね」
「では、彼方君。 これからも娘たちと共によろしくお願いしますね」
「ええ、こちらこそ。 父さんを頼みますよ」
三人娘と遊びながらだが、俺は父さんと由佳理さんの再婚を認めた。
特に幼い三人娘がいるのだから、尚更この方がいい。
俺もちゃんとこの三人の立派な兄になれるように頑張らないとな。
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