第16話 雨降って地固まる
―木曜日―
今日は1ヶ月ぶりの晴天であった。
こんな日の朝は通学が本当に気持ちがよい。
そのため清々しい顔をしていたら小学生3年生の子にキモイと言われてくじけそうになったが、頑張って学校に向かった。
学校に着き、そのことを美咲慰めてもらおうと思っていたら
美咲「おはよう 顔なんかキモイね」俺は、まさかのカウンターを食らった。
隆之「うっ...っ」とボクサーみたいにうずくまっているのを無視して美咲は教室に向かった。ひどくないか。
キモイってこんなにも傷つくのか、俺は、トイレに行き、顔の清々しさを取るために顔を引っ張っていたら
樹「何してんだよ 朝から」まさか、こんなところを見られるとは..
隆之「深い事情があってな」
樹「めんどくさそうだから 聞かないぞ …その、俺あゆみの気持ちを考えてなかった ただ、一方的に押し付けていた それをまず謝りたい」急にそんなことを言い始めた。
隆之「仕方ねぇよ 好きな子に真剣に告白したのに相手が、なあなあな返事をされると誰だってそうなる 間違ってないよ ただ、タイミングが悪かっただけだ」
樹「…笑」
隆之「何笑ってんだよ!」
樹「すげぇな 俺のこと全部分かったうえで励ますとか何者なんだよ マジで」
隆之「なんだそれは」
樹「やっぱ、たかゆきに話して正解だった あと、さっきから顔キモかったぞ(笑)」
隆之「お前、さっきの笑い 俺の顔見て笑ってたのかよ! あと、キモイって言うな!」
―教室―
俺たちは、そうして仲良く(?)クラスに入った。歩はまだクラスにはいなかったが、来てくれるってそう信じている。
その時
歩「おはよう! みんな!」前の扉から元気よく挨拶をした。やっぱ、歩はすげぇなそう純粋に思った。
そして、
クラスのみんな「おはよう!」みんなが明るくそう言った後に、歩の周りを囲い大丈夫?やら心配だったやら色々な言葉をかけていた。
女子①「ごめん、あゆみ いろいろ嫌なことを言ったね ほんとにごめん」
女子②③「ほんとにごめんなさい」
歩「...私こそごめんなさい 私の曖昧な態度が事の原因だから みんなほんとにごめんなさい! そして、これからもよろしくお願いします!」
その言葉を聞いてクラスの各々が色々な言葉をかける。
外からその光景を見ていたがとても素敵な絆が芽生えたと思った。
そして、先生がやってきてその光景を見て
先生「......歩、君にはたくさんの友達と私がいるんだよ!! 学校に着てくれて本当にありがとう!!」そう言った。
先生は、泣いていて、歩はそれを必死で泣くのを落ち着かせようとあたふたしていた。
先生が泣き終わると朝の会を始め、出席簿を取り始めた。
先生「日向歩」
歩「はい!」
―中庭―
そして、3.4限目の授業が終わり、昼休みがやってきた。
歩は、樹の席へ向かう。
歩「いつき話したいことがある 来てもらってもいい?」
樹「うん」
そして、中庭のところまでやってきた。俺と美咲はそれをこっそり見にきたが、クラスのやつらもみんな見てた。まぁ、そうなるよね。
歩「返事についてなんだけどいい?」
樹「…うん」
歩「いつきのことは好きだけどいつきの好きとは違う だから、いつきの気持ちには答えられないごめんなさい そして、今まで困らせてごめんなさい」
樹「...わかった 答えてくれて本当にありがとう そして、ごめんな
...すぐにこんな感じでいうのはおかしいかもしれないけど 前みたいに友達でいてくれませんか?」
歩「もちろん これからもよろしくね いつき」
樹「それともう一つだけ聞かせて」
歩「えっ?」樹は、歩の耳元に近寄り、樹の口が動く みんな、なんだなんだと騒ぐ
樹が何を言ったか俺たちには聞こえない。
そして
歩「えっなんで!?」歩の顔がじわじわと赤くなる
樹「もう答えなくていいわ その顔で分かる(笑) あゆみ帰るぞ」
歩「...待ってよ」こうして波乱の中庭が終わった。
隆之「なんだろ..」
美咲「気になるなら、聞いて見たら?」
隆之「…それはなんか違うと思うから、やめとく」
美咲「そっか、じゃあ、頑張りなよ隆之!」美咲は、俺が考えていることがお見通しなのだろう、そう励まし一人で教室に帰っていく。
俺は、チラッと歩の赤らめている顔を見る。あちらもこっちを見てきたので恥ずかしくなり、俺は、教室に向かって小走りしていた。
そんな久しぶりの平穏が訪れ、今日一日が終わった。
そして、月日は流れ、2月の半ばとなった。
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