第14話 あの子の家に


―水曜日― 


今日は雨が降っていて、俺たちは、傘を差しながら登校をしていた。


下駄箱で靴を履き替えるときに担任の先生にあった。


隆之「おはようございます」


先生「おはよう ...たかゆき 朝の会終わったら職員室に来てくれないか?」


隆之「えっ..わかりました」正直なんかやらかしたか?と思って聞こうとしたが、

追求せず教室に向かった。


教室にはいつも通り賑やかであった。だが、やはり歩がいない。


そして、朝の会が終わったので職員室に向かった。





隆之「失礼します」担任の先生を探し、見つけてそちらに向かう。


隆之「あの何か俺しました?」


先生「いや、ないが、隆之何かしたのか?」


隆之「いえ、してないからこそ気になりまして」


先生「そうか 実はな... 場所を変えようか」そう言って、応接室のような場所に向かった。


先生「ここだけの話にしてくれよ」


隆之「それ言って大丈夫なやつですか?」


先生「正直良くない、だが、全体でいうのは控えたい だからこそ隆之を選んだ」


隆之「すみません 話止めましたね」


先生「いや、いい 実は歩の件についてだ」


隆之「...」その話か。俺は、無言になってしまった。


先生「どうやら何か知っているみたいだな 先日、保護者面談あっただろ そこで歩のお母さんから 修学旅行後から落ち込んでるみたいなことを言われてな 先生は把握してなかったからその場は、それで終わったんだが 何か知らないか?」


隆之「...答える前になぜ俺を選んだんですか?」


先生「...お前たち2人は仲がいいと思ったからだ だから知っていると思った それに隆之が保健室に連れて行ったことを聞いていたからな その時に何かあったのかと思ってな」


隆之「なるほど 俺が知っていることは特にありません 保健室の件は急に歩が体調悪そうだったので肩を貸しただけです おそらく俺以外の友達も知らないと思います これは修学旅行中同じ班だった俺からの意見です」


先生「...そうか また何か気づいたことがあれば先生に教えてくれ 先生は君たちの味方だ」


隆之「はい、分かっています では」そう言って俺は部屋を後にした。


正直申し訳ないと思った。


だが、これ以上、歩に詮索してほしくない。


その気持ちの方が強く出たからだ。


俺は、クラスに戻った。

何やらクラスが静かだったが気にせず、次の授業の用意をした。



そして、今日も時間はすぐに進み、下校時間となった。今日も同じ下校メンバーを先に帰らせ、俺たちは、歩の自宅へと向かった。




―歩の家― 


歩の家と俺たちの家は学校を中心として真逆の方向にあったので歩の家にはせいぜい1時間ぐらいしかいれないだろう。


それを超えるとさすがに両親が心配する。


特に美咲の家は。


そのため、俺たちはできるだけ早く歩の家に着こうと小走りで向かったため特に打ち合わせをせず、ぶっつけ本番となった。


そして、俺たちは、雨に少し濡れながらも歩の家に着くことができた。


歩の家は、周りの家より新しく最近建てたようだった。


美咲「この家があゆみの家だよ」


隆之「…」


美咲「緊張するよね..」


隆之「うん」


美咲「チャイム押して」


隆之「俺が押すの!?」


美咲「うん はやく 時間ない」


隆之「...ダメだ 緊張する..」


美咲「なんで 押すだけじゃん!」


隆之「そんなん言うなら みさきが押してよ!」


美咲「...意気地なし!」 そんな大声で話しているとドアが開き、きれいな女性が出てきた。


??「どちら様? あれいな..」下を見ると俺たちがいたので

??「あぁごめんなさいね 久しぶりね美咲ちゃん」


美咲「お久しぶりです あゆみのお母さん」


隆之「えっ...」この人が歩のお母さんだと。すごく若くてロングヘアでテレビの街頭インタビューとかで必ず声をかけられそうなそんな人だった。


隆之「はっ..ははじめまして」


歩のお母さん「ふ ふ はじめまして歩の母です お名前は?」


隆之「..ぁあけち たかゆきって言います あゆみさんとは同じクラスです」


歩のお母さん「あなたが噂の隆之君ね さ、入って」


隆之・美咲「お邪魔します」


歩のお母さん「ごめんね、今散らかっているの」 


全然散らかっていない。 

こういう時は大人はそういうことを言うのか 俺は覚えた。

そして、俺たちにタオルを1枚ずつ渡してくれた。


美咲「あゆみのお母さん つまらないものですが、どうぞ」


歩のお母さん「ごめんなさいね   美咲ちゃんはしっかりしてるわね」やべぇ俺、何も持ってきてない 俺がそう凹んでいると


美咲「いえ あゆみは部屋にいますか?」


歩のお母さん「さっき、急に近くのスーパーに夕飯の買い物に行きたいって言いだして行ってもらてるのよ ごめんなさいね もうすぐ帰ってくると思うから」

美咲「そうですか」


歩のお母さん「隆之君とは 話してみたかったの」


隆之君「えっ?」


歩のお母さん「いつも学校から帰ってくると楽しそうに君の話をしてくれてね.. 本当にありがとう」


隆之「...」俺は、何もしてない。いつもながらそう思った。


そして、


歩「ただいま」廊下を歩き、リビングへとやってくる。


歩のお母さん「おかえりなさい お友達来てるわよ」


歩「.....お友達..」歩はゆっくりと顔を確認するようにリビングに入ってきた。


歩「..!? なんでここに2人がいるの!?お母さん!」歩は、休んでいたはずだが、何故か学校のブラウスとスカートを着ていた。


歩のお母さん「あなたのこと心配してきてくれたのよ」


歩「...ごめん...迷惑かけたみたいで」


美咲「そんなことないよね」俺の方を見る


隆之「そうそう」いい言葉が思いつかなかった。


歩「..私の部屋で話そ」


隆之・美咲「うん」


そして、俺たちは階段を上り、歩の部屋に向かった。


俺は、内心緊張していた。


人生初の女の子の部屋に! ...じゃなくて今から話す内容にだ 嘘じゃないよ。

多分信じてくれない。


美咲があゆみの部屋に入る前こちらに目を向けた。


こいつも信じてないようだ。

俺は、足を踏まれた。


隆之「いてぇっ」

美咲「ごめん、足が滑って」 小声で、何考えてるのと言ってきた。お見通しだった。


そして、俺たちは歩の部屋に入った。

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