第4話 入院そして別れ

 8月28日

今日から病院にお泊り。1日に3回くらい僕達をモニターっていうので診てくれるようになった。ママのお腹に機械をあてて、僕達が元気かどうかを診てくれるんだ。その機械を充てられるとくすぐったくて。僕は逃げてたんだ。だからお医者さんは何度も何度も機械で僕を探すんだ。かくれんぼしてるみたいで楽しいんだぁ。パパはお仕事が終わって毎日会いに来てくれた。パパ1人で寂しいだろうけど、ちゃんと出てくるからそれまで待っててね。


 9月3日

お姉ちゃん1400g。僕511g。お姉ちゃんは、どんどん大きくなってる。僕も頑張って少しずつ大きくなってるからママ心配しないでね。


 9月5日

僕達を診たお医者さんが、「小さい方の子がたまに苦しそうになっているみたい。前よりも元気がなくなってきてる」って言ってた。ママ、お医者さんが言う通りに少し息が苦しくなる時があるんだ。でも、ママが頑張ってくれてるし、パパも待ってるからお姉ちゃんと2人で会いたいって思ってるよ。僕、頑張るよ。


 9月10日

ママ、あのね、この前お医者さんが言ったみたいに苦しくなる事が多くなってきてるんだ。それに、神様が「ママの身体もきつそうだし、このまま2人がお腹にいたらママもお姉ちゃんも僕も危ないかもしれない」って言うんだ。だから、お姉ちゃんと話したんだ。お姉ちゃんが私が神様の所に戻るって言ったけど、僕考えたんだ。パパにはごめんなさいだけど、ママは出てくるのはお姉ちゃんの方がいいと思う。だってママの兄弟はお兄ちゃんしかいないから、近くに女の子がいた方が絶対楽しいと思うもん。それに、一回目お姉ちゃんと一緒にくっついた時に、僕が神様から言われて戻ったから、心配してお姉ちゃんまで神様の所に戻ってきてくれた。そんな優しいお姉ちゃんだから、絶対にママとパパの所に行ってほしいって思う。そしてママとパパを元気にしてほしい。お姉ちゃんなら絶対ママとパパを笑顔にしてくれる。ママパパ心配しないでね。これからもずっと近くにいるから。8ヶ月間、ママのお腹で過ごせてすごく幸せだったよ。ママ、毎日僕達をなでなでしながら、「ブンブンブンハチが飛ぶ」や「おもちゃのチャチャチャ」を歌ってくれてたから、お歌も覚えたよ。ありがとう。

この日、僕はママのお腹の中で眠った。520gだった。

ママとパパ、そしてたくさんの人が泣いていた。ただ、お姉ちゃんがもう少し大きくなるまで僕はお腹の中で寝ている事になったからもう少し一緒にいようね。

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