第76話 魔法銃登場


「それで、アリスは今までどこの国のダンジョンを巡ってきたわけ?」

 ミオの質問に、アリスは恥ずかしそうにする。


「その・・・・・・実はこのダンジョンが初めてなのよ」

 ミオは驚きで目を丸くする。


「それじゃ、初ダンジョンをいきなりソロで挑んだってこと?すごいというか、無茶というか・・・・・・あんた、中々のものね」

「でもさ、モンスターとかとどうやって戦ってきたわけ?」

 セレスティーヌの問いに、アリスは腰から何やら黒く光る物体を取り出す。それは、よく見たら拳銃だった。


「これで、遠くからズドンと一発で仕留めるの。わたし、これでも結構視力は良い方なので」

「ほお・・・・・・」


 俺は興味を惹かれ、アリスの手にある拳銃をまじまじと見る。てか、この世界に拳銃なんてあったんだな。


「へえ・・・・・・これ、ひょっとして魔法銃かしら?」

 セレスティーヌの言葉に、アリスは頷く。


「そうだよ。古いタイプなんだけれど、わたしはこれが一番なじんでいるの」

 流石、物知りのセレスティーヌだな。


「というか、魔法銃ってなんだ?」

 俺はセレスティーヌに尋ねる。


「つまりさ、その魔聖大剣は、レイの魔力を媒介として、攻撃を繰り出したりするわけよね」

「うん、まあそうだな」

「魔法銃は、その拳銃版よ、簡単にいえば。魔力を利用して、強力な攻撃魔法を銃弾に付与する、て感じかな。拳銃だから、攻撃範囲は必然的に広くなるわね」

「ふーん、だったらもっと使っている人が多くても良さそうだけれどな」

 俺、初めて見たぜ。この魔法銃とやらを使っている人。


「確かにね。でも、魔法銃は攻撃性に優れている分、防御魔法が発動しにくいのよ」

 なるほど。一長一短だな。


「だから、アリスちゃんはなかなかの命知らずなのよね。銃使いかつ単身で、ダンジョンに挑むなんてさ」

 ソフィアが言う。


「ま、そんなことより今は目の前のクエストに集中しましょうよ。そろそろ目的地よ」

 ミオの言葉を受けて、俺たちは目的地に急ぐ。


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