8/22 Mon. 十二の挑戦――上級編
調子に乗りすぎた。時刻は16時12分。もう1問に10分も使えない。
残り5問。巨蟹宮レベルの左脳キラーが現れたら優姫先生と美月先生に拝むしかない。とにかくさっさと
室内の様子はいつもの宝箱に加えて序盤にあった12方向に横長の額縁が飾られてるというもの。後は床や壁に荒れ地のような風景が入ってるくらいだ。そこかしこに倒れ伏す獅子の絵が見当たるから戦場なのかもしれんね。
紀紗ちゃんが宝箱に入ってたタブレットを触るまでに額縁のチェックをしとく。
正面を見据えて右回りに『一発必中』『驕兵必敗』『近朱必赤』『生者必滅』『信賞必罰』『盛者必衰』『先手必勝』『大味必淡』『必求壟断』『必由之路』『一撃必殺』『好球必打』の12個。すべて『必』が絡む四字熟語だ。
率直に言って何個かは意味が分からんどころか読み方も分からん。内炭さんならすべて分かるかもしれんけど、一応はグーグル先生にスタンバって貰っとこう。
そして肝心のタブレットだが、部屋の風景と同じような荒野で右手にアサルトライフル、左手にシミターを持った隻眼の人型ライオンが、地面に横たわって血を流してる人型チーターを右足で踏み付けてる。人型ライオンは肩からタスキを掛けていて、そこには『今こそ栄光を掴むぞ必ずDAY』と書いてあった。
『オレさまのインテリジェンスに富んだ作戦。モチロン、分かってるよな?』
問題文となるふきだしの内容はこれだ。脳筋にしか見えないんだよなぁ。
自分のことを知性的だと思ってるバカは対処に困る。これも右脳タイプ用の問題じゃないのか。
そんでもって紀紗ちゃんがダブルタップしたら画面がカオスになった。4マスある回答欄の周囲に漢字がわんさかある。文字が重なりまくって全容の把握が困難だが、一見すると額縁にある四字熟語を構成する漢字っぽい。
「内炭先生の所感は?」
「さっきの絵の状況とタスキの文字を念頭において、最もそれらしい額縁の四字熟語を入力するってことよね。それで言うなら
「おお……」
俺も含めた4人ともが唸った。学年3位さん、パネェっす。
「
どんどん絞ってくな。けどここから先はちょいと厳しそうだ。
最後のはどうでもいいとして。他はほぼほぼ状況と合ってるんだよな。
となるとタスキの暗号を解くしかない訳だが、
「先手必勝」
紀紗ちゃんが呟いた。ダブルタップで画面を戻して、タスキを指さす。
「タスキの中に手と必がある」
必はともかく、手? あぁ。
「掴むの手偏か」
こっくりと頷く紀紗ちゃん。けどなぁ。根拠が薄弱すぎるよな。
「先と勝は?」
「わかんない」
ですよね。
「どう見てもライオンが勝ってるじゃん」
優姫がツッコミを入れてきた。そうですね。
「先に攻撃したんじゃないかな」
川辺さんも乗ってきた。そうかもしれないですね。
「現状だと博打になっちゃうわよね」
内炭さんの意見に俺と紀紗ちゃんが頷いた。他に何かヒントは……ん?
「なぁ。画面の右下に日付が出てるよな」
2022/08/22。内炭さんはそれを見て小首を傾げた。
「出てるけど。それがなに?」
「これって今まであったか?」
「分からないけど。あったんじゃないの?」
紀紗ちゃん、優姫、川辺さんも否定的に顔を振った。
「5人いて5人ともがたったいま気付いたってさすがにおかしくね?」
しかもタスクバーの時計じゃない。時間は表示されてないし、荒野の茶色い地面とかぶってるから見えにくい。日付の確認をするのには使い勝手が悪すぎるだろ。
「そう言われるとそうかもしれないわね。今日の日付がヒントってこと?」
「おそらくって程度だけど」
そこで口を止めてしまった。ああ、そういうことか?
念のためにスマホで調べてみる。まじか。正解っぽいわ。
「たぶん先手必勝で合ってるわ」
「どういうこと?」
「タスキの文言って日本語になってないよな?」
「まあ。必ずDAYとか意味不明よね」
「そのDAYを日本語に直訳するとどうなるよ」
「んー? 今こそ栄光を掴むぞ必ず日。どっちにしても意味不明じゃない?」
「あ」
紀紗ちゃんが呟いた。
「あたまとおしりで今日になる」
「……確かに。だから今日の日付がヒントになるってこと?」
「だな。
全員が首を振った。授業ではやらんからね。けど絶対に知ってるやつなんだよな。
「先勝。友引。先負。仏滅。大安。赤口の6つ」
「聞いたことある! 大安吉日とか!」
川辺さんが元気よく答えてくれた。他の面々も頷いてる。
「それで2022年8月22日の六曜は、もう言わんでも分かると思うけど」
「先勝なの?」
「そう。それで『今日』を『先勝』に置き換えて、紀紗ちゃんの言ったように掴むって字を手にしてみると。先、手、必、勝の順番に並ぶよな」
「なるほど」
内炭さんの納得を得られた。他3人も肯定的な面持ちだ。けど、
「ただ、これって今日しか使えない問題なんだよな。それが引っ掛かる」
「日付が画像上にあるんだから仮に今日が8月23日だとしても、ライオンがチーターを倒した日は8月22日になるんじゃないかしら」
俺もそう思う。これは偶然ってことでいいんだよな。一応はヘビを見てみる。
「例えば昨日までにプレイした連中もこの日付だったなら俺らだけ不当に難易度が上がってることになりますよね。だって違う日にプレイした連中は『あれ? 日付が今日じゃない』って疑問を元に謎解きできるんですから」
「ご想像におまかせします」
はぐらかしたってことはそうだな。念のために保険を掛けてみるか。
「昨日までの6組のここのクリア率は?」
ヘビの眉が跳ねた。聞かれたくないっぽいね。さっきまで自ら言ってたのに。
「6組のすべてがこの試練を乗り越えました」
「ならストレートで良さそうだな。先手必勝でいこう」
紀紗ちゃんに入力して貰った。不正解で15分のペナルティみたいだが、
『正解だ! 後方左側の壁の下から2番目の死体を探してみろ』
大胆すぎて驚いた。倒れ伏した人型ライオンが握ってるシミターに重ねて鍵が張り付けてある。タブレットの位置的に誰も目を向けない位置とはいえ堂々とお宝を晒してるとは思わなかった。運が良ければ30秒で通過できるな、これ。
サクッと
一番の謎に頭を悩ませつつもおとめ座の部屋に向かった。
乙女というだけあってファンシーなゾーンだった。だってピンクだし。宝箱までピンクだし。その台座すらピンクだし。
左右の壁際にショーケースが置かれ、その中身はすべて皿に乗ったケーキだった。当然、食品サンプルだが、50種類以上はありそうだ。
他に見当たるのは3時ぴったりで止まってる壁掛け時計。そして最奥にある2種類のカレンダーだ。片方は日めくりのやつ。2022年8月22日になってる。もう1つは普通のカレンダーだ。8月22日に赤丸が打ってある。8月22日は特異点ですかってくらい謎解きに利用されてやがるな。これも偶然か?
俺らが部屋を検閲してる間に優姫は宝箱から紙切れを出していて、
「昨日はチーズケーキ。一昨日はガトーショコラ。その前はモンブラン。今日は決まってるから、明日はミルクレープにしよっかな。はーと」
なんじゃそら。優姫に近付いて見せて貰ったら一字一句その通りだった。
「今日のケーキに鍵が隠されてるパターンかしら」
内炭さんが目を向けてるのはフルーツケーキだ。
「だとしたら今の4種類から共通点を見つけて今日のおやつを当てないとな。まあ、総当たりでもこの数ならすぐ終わりそうだけど」
「そうじゃなくて」
「ん?」
「今日のケーキはショートケーキよ」
「は? 何を根拠に言ってんの?」
「カレンダーを見れば分かるわよ。とにかく私はショートケーキを探すわ」
よく分からんがカレンダーを見にいくことにした。紀紗ちゃんと川辺さんも来た。優姫はショートケーキを探すみたいだな。
「あっ」
川辺さんがにやにやし始めた。
「今日って22日だよね」
「だね。日めくりカレンダー的にこのゲーム内でも8月22日だね」
川辺さんが22日に指をさした。
「イチゴが乗ってる」
まじだ。22日の1週間前は15日。22の上に
「あったわ」
内炭さんがショートケーキを持ってきた。
「弥生さんの家に泊まった時に言ってたのよね。リアル脱出ゲームをしにいくのってショートケーキの日じゃんって」
「なるほど。そっちの業界だと常識レベルの話なんだな」
「お陰で助かったけど」
内炭さんがショートケーキを持ち上げてみた。けど皿との間に鍵が隠されてる訳でもない。ケーキの裏を見てもない。
「あれ?」
途端に焦る内炭さん。
「他にイチゴが乗ってるケーキがあるとか?」
「一通り見たけどなかったよ?」
俺の思い描いた可能性を優姫がすぐに潰してくれた。そのまま内炭さんに近寄り、
「えいっ」
ショートケーキのイチゴを引っぱった。そんなプラモじゃあるまいし、脱着式になってる訳が、
「あった」
簡単に外れたし。中に鍵が入ってたし。
「ふっ。これが提灯を皿に乗せるものの実力じゃよ。3時のおやつのショートケーキなんだからイチゴを食べるまでが謎解きなのじゃ」
どやどやしながら腕組みをする優姫さん。
「優姫センセーさすがっす。俺らの頭じゃ付いていけねえっす」
「よっ、この常識知らず!」
「だから褒めるならちゃんと褒めてよ。あと朱里ちゃん、それは普通に悪口だから」
優姫は呆れ顔を見せてるが、助かったのは事実だ。危うく総当たりでケーキを調べるとこだった。その上で今のは見つからない流れだったからな。
「ただいま上条様が巨蟹宮を突破したようです」
報酬用宝箱から
とにかく今度は俺らが追われる側だ。この2歩のリードをなるべく維持したい。
てんびん座の部屋まで駆け足。ドアを開けて驚いた。中央のテーブルに宝箱が乗ってない。あるのは部屋の名前通りの天秤だ。
他に見当たるのは例の30度刻みで設置されたテーブルだ。今回は卓上に干支のぬいぐるみが置いてある。最奥をネズミとして右回りにウシ、トラと順にあった。
報酬用と思われる宝箱はネズミのテーブルの真下に見当たった。とにかく全員で天秤の元に行く。卓上には3種類の人形があった。
天秤の左側に乗ってるのがスーツ姿のお父さん。右側に乗ってるのがエプロン姿のお母さん。その天秤をランドセルを背負った子供が見上げてる。
『どっちの方が大切?』
そう書かれた紙の上に子供が乗ってる。超エグいんですけど。リフィスとか水谷さんが超しょっぱい顔をしそうなんですけど。
「あたしはお母さんかなぁ」
待てこら。明日から相山パパの顔を見づらくなるだろ。
「わたしはお父さんだね。最近のお母さんはちょっとうるさいもん」
川辺さん、お母さんもね、あなたのためを思って言ってるのよ?
「私はどっちにも大切にされてる感じがしないなぁ……」
内炭さんは論点をずらさないでください。子供の視点のお話ですよ。
「わたしはハゲかな。お小遣いくれるし」
その言い方だとたぶんあのハゲは喜ぶべきか悲しむべきか分かんないよ。
「てかこんなん答えようがなくね」
「っ! 答えは沈黙?」
どやる川辺さんはさておき、けど本当にそれを選びたいよな。
「これが暗号って可能性はないのかな」
文章が短すぎるからあり得ないか。そう思いつつも紙を手にして、気付いた。
裏にも文章がある。
『甲乙つけ難くばその間の目を見よ』
あぁ。そっちか。
「その間? 目?」
「お父さんとお母さんの間にいる子供の目ってこと?」
川辺さんが小首を傾げ、優姫が子供を掴み上げる。
「天秤の節目とか?」
「天秤を真上から見ると目に見えるかも。秤が丸いから」
内炭さんと紀紗ちゃんは天秤を色々な角度から見始めた。
序盤は初動を人任せにするとこがあったけど、ここまで来るとみんな自分から調べようとするね。どうせならクリアしたいって思ってるのかもなぁ。
ちょっと嬉しく思いながら俺は右の方に歩いていく。そこにあるのは亜麻音さんの格好と同じウサギのぬいぐるみだ。こいつの目か?
持ち上げて確認してみる。優姫の真似をして円らな瞳を摘まんでみたが、外れそうにないな。内炭さんの言ってた節目ってのをヒントに縫い目とかも見てみるか。
「ねぇ」
背後から唐突に始まる内炭トーク。びっくりしてウサギを落としそうになったわ。
「どうした?」
「総当たりで調べていくなら担当を決めて欲しいんだけど。そうしないと既に調べ終わったものを違う人が調べちゃうかもしれないし」
「……ごもっとも。内炭、お前の言う通りだ」
「っ! エチュード!? 唐突にエチュード!?」
目には目を。歯には歯を。唐突には唐突を。内炭トークには油野エチュードを。
「だが俺も考えがあってこうしている訳だ。すまないが放っておいてくれるか?」
「分かったわ! 邪魔にならないようにしてるわね!」
「いや、理由を聞けよ。なんでそんなに従順なんだよ」
目をキラキラさせてる内炭さんにウサギを手渡す。おい、なんで抱き締めるんだ。油野からのプレゼントって感じになっちゃってんのか。
「何かの話の時に艮のことを説明したよな」
「ウシトラ? ああ、宿理先輩が金より良いで銀って言った時のことね。油野くんがあのゴミ教師を正当防衛で殴り飛ばして私らが泣いてた時じゃない?」
ゴミ教師て。間違ってないけど。
「あの時に艮は八卦の1つで方角で言うと北東。丑と寅の間だからウシトラ。陰陽道で言う鬼門って言ったのは憶えてるか?」
「憶えてる。中2男子って必修科目が多いわよね」
俺は頷きながらスマホで風水をテーマにしたサイトを探す。
「十干から五行の土属性である
「いやもう何を言ってるのかさっぱり分からないわね」
内炭さんが呆れてる。ウサギは上条先輩そっくりの顔で「へぇ」って感じだ。
「個人的にはヒツジサルって漢字が本当にあるのかしらって興味津々なんだけど」
「土偏に申すな。乾坤一擲のコン。ちなみにケンはイヌイだから。乾坤はイヌイヒツジサルって読むこともできるぞ」
「参考になります」
そう言ったのはウサギだった。あれ、出題に利用されちゃう感じ?
「とにかくこんな感じだ」
ここは一目瞭然でいこう。二十四山を見せてやった。ウサギも見てくる。
「こちらに注目」
「え! 甲と乙がある!」
内炭さんが大声をあげたことで他の連中もやってきた。
「たまに聞く甲乙丙丁は十干から来てるからな。そんでもって甲は75度。乙は105度。間の90度は兎だ。方角で言えば東になる」
「甲乙の間は東ってことね!」
「けど方角がいまいち分からんからとりあえずウサギを見にきてみたんだけど」
「方位のアプリでも落としてみる?」
優姫が提案してきた。えっ、そんなんあるの? 大航海時代の船乗りもびっくりしちゃうね。
「……ここ、ダウンロード速度がおっそい」
「じゃあそのウサギは内炭さんに調べて貰うとして、俺は東(仮)であるこの辺を調べるから、川辺さんは引き続き天秤を、紀紗ちゃんは」
「あまねちゃん」
紀紗ちゃんがカットイン。その人、ちゃん付けする年でもないと思うよ。
「はい」
無感情の紀紗ちゃんと無表情の亜麻音さんが見つめ合う。どっちも美人さんだから絵になるね。ちょっとばかしサイコの波動を感じるけど。そして、
「鍵ちょうだい」
なんでやねん。
「わかりました」
なんでやねん!
本当に渡してきたし。
「甲乙つけ難いから間のウサギさんの目を見た」
あぁ。そういう。
ある意味で納得できた。この部屋は物が少ない。総当たりで調べればどうにかなりそうなくらいに。
けど出題者目線で考えると、そんなことを10問目まで来て許す気があるかってことだな。さっきの9問目ですらそうできない仕様になってた訳だし。
紀紗ちゃんに報酬を取りに行って貰ってる間に確認しとくか。って着替えてるし。気付かなかったけどヘビのテーブルの下に床や壁と同じ色の袋が転がってた。総当たりで調べてたら中身を見てびっくりしたに違いないな。
かくして亜麻音さんはトラとなった。がおーって言って欲しいな。
「現在、水谷様は巨蟹宮。糸魚川様は獅子宮。上条様は天秤宮にいます」
代わりに聞こうと思ってたことを教えてくれた。さすがに上条先輩は早いな。もう追い付かれてた。水谷さんは下手するとこのままカニで終わりそうだ。
「なお、6組の中で2組がこの試練を乗り越えられませんでした」
「最低でも4人は中2の時にちゃんと勉強してたってことか」
「……碓氷くんもその熱量を真っ当な方向に向けてれば」
喧しい。とにかく次だ、次。
そこはどこもかしこも真っ白な部屋だった。宝箱もテーブルも白い。
ここも中央に出題用の宝箱はなく、代わりに病院のベッドみたいなものがあった。その枕元に開封された宝箱が置かれてる。中身はタブレットだ。やっとこ川辺さんにタブレットを触るターンが来たね。
省エネモードを解除して見えてきた画像。それはベッドに横たわった懐かしの騎士くんだった。フルプレートのままで寝てるし、そのプレートに包帯を無駄に巻かれてるが、もう騎士くんはリビングアーマーみたいなものだと思っとこう。
『長い。とても長い夢を見ていたようだ』
「え? これが問題?」
川辺さんがびっくりしてる。いや、俺もびっくりだよ。どう回答しろってんだよ。
「回答画面にヒントがあるかも?」
優姫の呟きに反応して川辺さんが画面をダブルタップ。すると騎士くんの枕元に天使っぽいのが表示された。
『夢ではありません。神の泉に飛び込んだあなたは神々の洗礼を受けていたのです』
ふむ。虹の麓にあった神の泉とやらに金属の塊がダイブしたのか。シュールだな。泉にマグロがいたのもびっくりだが、それで溺れてこのざまってのもびっくりだ。
追加でダブルタップ。
『あなたはこれまでの人生と泉の洗礼により10種の加護を受けています。その加護が12種となったとき、あなたは望む力を得られるでしょう』
さらにダブルタップしてみる。
『此度は私の番です。ご安心ください。伏せるあなたに鞭を打つ気はありません。その場から動かずとも乗り越えられる試練を与えましょう』
本当にぃ?
川辺さんの顔にも不安の色がありありと見えた。やや緊張気味にダブルタップ。
『これまであなたが歩んできた道を振り返りなさい。答えはそこにあります』
ラスボス手前でそれまでに戦ってきたボス級の敵と連続で戦わされるRPGって少なくないよね。あんなに苦戦したのに今はもう楽勝だなーってちょっと感慨深くなるやつ。
けどね。
『答えを入力せよ!』
キーボードの配列と、12個のマス目が現れた。
これはラスボスの手前でそれより強いボスが出てきた感じ。
「なお、4組の中で2組がこの試練を乗り越えられませんでした」
トラが宣言した。これは一筋縄でいくものではないと。
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