第9話 中略



 どうしたのだろうか?

エディーからの連絡が突然途切れた。

然し、ある意味、私はホッとしている。

今思えば、私はエディーからの手紙に対して、何らかの答えを書いて送るだけになっていた。


 分かって欲しい。

私が想像していた青い眼の澄んだ心のエディーは既に居なくなっていたのだから。


 いつも彼からの告白を聞き、答えだけを返信するだけの手紙を書くことは疲れるものだ。


 一方的に書いてくる死にたいだの、生きていることが楽しいだの、聞いている方は付き合いきれない。

ある意味、異常者だ。


 私は、彼の手紙をちゃんと読み、しっかりと答えてきたつもりだ。

まるで心療内科の医者のように。

そう、それはまるで心療内科の医者だ。

患者の中に紛れ込んできた異常者の診察をしているうちに、自分自身の精神を保てなくなっていく心療内科医によく似ている。


 ところが、また、エディーからの手紙がやって来た。

その内容を和訳してみよう。

数通だけだがね。

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