第13話愛のカタチ
朝、9時。
藤岡とあかねは自宅に戻った。
栗原と千代はベッドで寝ていた。日中は外出出来ないゾンビは夕方まで眠っていた。
栗原の腕に千代はちょこんと頭を乗せて眠っている。
ゾンビでも、愛は消えないのだ。
藤岡とあかねは昼メシは適当に済ませ、買い物に行き、肉、野菜、タレ、酒を大量に買い込み仕込みを始めた。
今夜は焼き肉だ。
18時、2人は目覚めた。
「よ、お二人さん。シャワー浴びなよ今夜は焼き肉だぞ。生肉も旨いが、焼いてタレで食べると格別に旨いんだ」
「お千代ちゃん。着物、洗濯したもの取りに行ってあるから、これに着替えてね」
あかねは、千代にスエットの上下と下着を渡した。
「ありがとうございます、姫」
「2人ともシャワー浴びたら、焼き肉始めましょうね」
「かたじけないでごわす」
19時。
焼き肉パーティーが始まった。
2人のゾンビはよく焼いた肉をタレに付けて食した。
「うわぁ~、うんめぇ」
「美味でございます」
2人のゾンビが焼き肉を食べる。誰が想像出来ようか?
「2人は、一緒に暮らしたくないの?」
ハイボール片手にあかねは言った。
「それは、当たり前ですばい。だけんど、ゾンビ同士だけでは何だか、不安でごわす」
「昨夜、栗原殿と話したのですが、私たちはこの世にいてはいけない死体ですもの」
「えっ、死体?」
「はい。心臓は止まったままです。食べたものは、そのまま、肉体の生成に変わります」
「ま、今日は土曜日だ。明日まで人間組は休みだから、今夜は朝まで飲むぞ!その前に、あかねもヘパリーゼ飲めよ!」
「うん、わかった」
あかねはハイボールで、ヘパリーゼを流しこんだ。
「今夜は泡盛もあるからね。ボウモアを僕は飲むけど。あかねも飲む?」
「当たり前じゃない!トリスもいいけどたまにはねぇ」
宴会は朝まで続いた。
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