第38話 続 プロット
前回の続きなんだけども、物語に行き詰まる可能性が高いのは、当たり前だけどプロットを立てずに書いた場合だよね。その時、前に進めないから、その場にとどまる事になる。それが連なったり頻出すると、読者側には「物語が遅々として進まない」ってやつになる。
第一線級の作家さんも連載中に「まずい締切だ……でもなんも浮かばん。どうしようもない。今回はこの場面をふくらませてしのごう」って感じの場面はある。私はこれを勝手に「踊り場」って呼んでる。階段の踊り場ね。第一線級の人たちはその「踊り場」ですら、見せ方がうまい。そこからの挽回もうまい。
でも、技術や経験が未熟だとそうはいかない。物語に行き詰まった時の「踊り場」が「踊り場である」と丸わかりになる。なんとかそこを脱出したとしても、作者自身に物語の未来や全体像が見えていないから、ストーリーに勢いが出ない。作者に見えていないものが、読者に見えるはずもない。読者は次第に「一体どこに向かってんだ?」とイラつき始める。そして挙句の果てに、こじつけや唐突なストーリー展開が始まった時、読者は「テメーの頭には綿菓子でも詰まってんのか? 読んでられるかバカヤロー!」となって、その作品を捨てる。
もちろんブロットを立てても、第一線級の作家さんたちと同じような優れたプロットを立てられるわけじゃない。でも少なくとも「コレがアアなって、こうなるから、こういう結末になる」っていう物語の全体像が見えて、物語の論理性や整合性が問える。作者に筋道が見えてるから、それがストーリーに勢いとして表れる。読者はそれを感じ取る。だから読む。
一方プロットがない場合、個人差は当然あるけども「コレがアアなったんだけど、こうもなって、こうなんだけどやっぱり、アアもなって」っていう、ふらふら現象や支離滅裂だったり荒唐無稽な展開が発生する可能性が高くなる。
そんなこんなで、慣れないうちや、泣きたくなるほど読んでもらえないって人はプロットを立てた方がいいって話なんだけど、どうしてもプロットなしで書きたいって人は、書き下ろしにすると対応できると思う。物語を全て書き終えて、全体を見ながら修正できるからね。自分でも「これはひどい……」って部分を練り直したり修正すると、今までとは違った反応が得られるかもしれない。その完成した作品を連載という形にもできるしね。
ちょっとだけ頭の片隅にでも入れてみてね。
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