第14話 多重連載というごった煮

 前にも少し書いたんだけど、いくつもの作品を同時連載するのは余程の事がない限りやめた方がいいだろうね。

 もちろんそれは個人の自由で、誰に何を言われる事なく好きにしていい事だから余計なお世話って人がいて当然。そんな人はここで躊躇なくサヨナラしてね。

 

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 ここからは一作一作の小説に、より真摯に取り組み、少しでも良いものを書いて、たくさんの人に読んでもらいたいって思う人だけ読んでね。

 同時多重連載ってね、同時多重鍋みたいなもんだと思うんだ。

 たとえば一つの鍋があるとして、そこにいくつもの仕切りを作って、すき焼き、ちゃんこ鍋、キムチ鍋、トマト鍋なんかを作った場合、もうねひどい事になるよ。

 それぞれの匂いが移って、仕切りからダシが滲み出て混じり合って、すき焼きの具材はしっかり煮えてるのにトマト鍋の具材は生煮え、時間が経つほど色も風味も味も混じり合って、もう何の鍋なのかわかんない……ってね。

 まだそれを認識できたら救いはあるけど、作ってる本人だけはしっかり仕切りが出来てる大丈夫って思ってしまってたら、どうにもならないよ。

 すき焼きならすき焼き、キムチ鍋ならキムチ鍋で、一つの鍋を作ったらおいしく作れる人が、自分の良さを殺してしまったらもったいないと思うけど、どうだろう。

 味がゴッチャになっても大丈夫っていう同系統の鍋同士なら、なんのために別々にしてんのよって事になるしね。

 同時多重鍋は、よほど大きな鍋で、何重もの堅牢な仕切り、厳重な火加減管理、それが揃っていてさえ難しいと思った方がいいね。

 

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