パッ、チョッ、グッ
!~よたみてい書
詠唱を守りぬけ!
「うあぁぁぁ!」
ンズキは立てた尻尾の毛を逆立たせ、指先から可愛らしい爪を飛び出させながら、メルディオンに向かっていく。
四階建ての建物の屋上に四人組が、対面に立っているメルディオンと大型で二足歩行の鳥型生物、犬型マシンを追い詰めていた。
そしてンズキは腕を振り上げたらそのまま勢いよく振り下ろし、
「はぁっ!」
【爪ひっかき:チョキ】
一方メルディオンは尻尾と毛を逆立たせ、握りこぶしをンズキの腹部に目掛けて突きだしていく。
【殴り:グー】
ンズキの爪がメルディオンの左頬に触れるが、弾かれてしまう。
代わりにメルディオンの拳がンズキの腹部に衝突していく。
ンズキ@5は顔を歪ませながら後方に三メートルほど吹き飛んでいった。
「はぐぁっ!」
メルディオンも後ろに三メートルほど吹き飛ばされていき、体勢を整えながら地面に足を着ける。
コトネ、フウカ、カエデは焦った表情を浮かべながら、
「「「ンズキー!!!」」」
また、鳥型生物はンズキに向かって突進していく。
【突進:グー】
しかし、コトネは左手に握っていた
【プラスチック弾:グー】
射出された
鳥とコトネは互いに吹き飛ばされていった。
一方、フウカはほうきを抱きかかえるようにしながら呟きはじめ、
『精霊よ、モノノケよ、我が声は届いているだろうか。天使よ、悪魔よ、我が声に応えたまえ』
【グーチョキパー(保留)】
カエデも雨傘を抱くように構える。
一方ンズキは再びメルディオンに向かって駆けていき、片足を相手の横腹に向けて振っていく。
【蹴り:グー】
しかし、メルディオンは大きく口を開け、ンズキに顔を近づけていく。
【噛みつき:パー】
隙を見せているンズキの首に、メルディオンの白い歯が食い込んでいった。
そして、顔をしかめさせたンズキ@4とメルディオンは後方に離れていく。
フウカはそのまま集中しながら言葉を口から漏らし続け、
『神よ、光の世界から我を見届けているだろうか。そして死神よ、闇の世界から我をあざ笑っているだろうか』
【グーチョキパー(保留) 対象は瀕死 詠唱在り】
また、犬型マシンが素早い動きでコトネに向かっていく。
コトネは素早く犬型マシンに視線を向け、すぐに右手に持っていた拳銃を左手の甲で右手首を支えながら向ける。
「くっ、次から次と」
右人差し指で引き金を引くと、破裂音と共に弾丸が射出され、犬型マシンに向かって高速で飛んでいく。
しかし、弾丸は犬型マシンのすぐ横の床に埋まる。
コトネは目を見開きながら、
(しまった!)
犬型マシンは地表を蹴り、コトネに跳びかかった。
そして、口を大きく開け刃の歯でコトネの肩に嚙みついていく。
コトネ@5は苦しみながら、
「あがぁぁっ!!」
一方、鳥はンズキに向かって真っすぐ突進していった。
【突進:グー】
だけど、ンズキは大きく振り上げた蹴りで応戦する。
【蹴り:グー】
ンズキの蹴りは鳥の腹部に直撃するけど、そのまま互いは弾かれるように後方に吹き飛んでいく。
しかし、鳥は手すりにぶつかり、そのまま手すりの上を転がっていき地表に落下していった。
鳥@7はそのまま勢いよく固い大地に突き進んでいき、衝突していく。
そして数秒後、体に負った傷が元通りになった鳥@6は、その場をうろうろと歩き続けた。
一方、フウカは独り言をいまだに続けて、
『我、
【グーチョキパー(保留) 対象は瀕死 詠唱在り 再使用時間@二十四時間】
メルディオンは細めた目をフウカに向けながら、
(さっきからあいつ何か呟いているな。なにか仕掛けようとしているのか? ふっ、なら阻止するまで)
メルディオンは懐から小さな刃物を取り出し、フウカに向けて勢いよく投げつける。
【投げ刃:チョキ】
ンズキは刃物の軌道を目で追いながら、
(しまった!)
凶刃はそのまま宙を突き進んでいき、フウカの胸部に衝突した。
【フェリポット 飛び道具を二回無効化 再使用時間@十二時間】
しかし、刃物は硬いものに当たったかのように、金属音を響かせながら地面を転がっていく。
カエデは口端をわずかに上げ、
(よしっ!)
メルディオンは目を見開きながら、
(なにぃ!? しまった!!! 危険な気配を感じる!!!)
一方、地面に倒れていたコトネは犬型マシンを何度も銃で殴打し続け、それから一瞬の隙をついて足で押しのけた。
そして、右手の銃@14で体勢を崩している犬型マシンを射撃する。
弾丸は犬型マシンの胴体に着弾し、小さく怯んだ。
メルディオンは語気を荒げながら、
「あのほうき女を狙え!」
犬型マシンは視線をすぐにフウカに向け、すぐさま足を素早く動かしだす。
だけど、コトネが再び銃@13を構え、引き金を何度も引いていく。
(行かせない!)
破裂音が三回鳴ると、金属の弾丸が三つ犬型マシンに命中していった。
犬型マシンは力が抜けるように地面を滑りながら転がっていく。
一方、ンズキは握りこぶしをメルディオンの腹部に向けて仕掛ける。
【殴り:グー】
また、メルディオンは懐から再び小さな刃物を取り出しながら、腕を横に振るっていく。
【刃:チョキ】
そして、無防備を晒したメルディオンの腹部に拳がねじりこんでいき、ンズキと一緒に後方に吹き飛んでいった。
『
ほうきを頭上高く掲げながら語気を強めるフウカ。
メルディオン@7が体勢を立て直し、ンズキを睨もうとした瞬間、その場に硬直し、
(なんだこれは!? くっ、体が動かない!?)
さらに、すぐに視線をンズキからフウカに移しながら、
「貴様、何をした!?」
【サロイップギルプ:グーチョキパー 対象は瀕死 詠唱在り 再使用時間@二十四時間】
メルディオンの周囲に様々な光の玉が浮遊し出す。
そして、浮遊玉はそれぞれ何かの化身に変化していく。
化身達はメルディオンを見つめながら、微笑み、
すると、メルディオンの体が発光しだし、様々な色の光を周囲に放ち始める。
メルディオンは胸を張りながらのけぞり、
「うぶあぁぁぁ!!!」
顔を歪めさせて絶叫した。
体を回転させながら後方に吹き飛び、地に足を着けたメルディオン@2。
さらに尻尾を下ろし、体をよろめかせながら後退していき、
(まずいっ、このままでは……!)
ンズキはメルディオンを睨みつけながら語気を強め、
「
メルディオンは体をひるがえし、屋上の端に駆け寄っていく。
そして設置されていた
(ここで死ぬわけにはいかない!)
そのまま地表に向かって緩やかに体を降ろしていった。
四人は焦った表情を作りながら隅に向かって駆けていき、
「「「「逃がすものか!」」」」
パッ、チョッ、グッ !~よたみてい書 @kaitemitayo
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