第2話 交換殺人

お給料前なのでお昼はカップ麺で済ますことにした。


カップ麺のフタを開けて、かやくを入れる。

そして粉末と液体のスープがあったので、粉末のスープを入れた。入れた後に、粉末スープの袋を見た。


『お召し上がり直前にお入れください』

 

入れてしまったではないか。

もう、入れてしまったではないか。

取り返しのつかないことをしてしまった。


持ちかけられた交換殺人を実行したのに、間違えて別人を殺してしまったみたいに。


私は壁にもたれかかり、ズルズルと床に沈んで行った。帰りに辞表を提出しよう、そう思いながら。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る