第6話
そして、引き取りの日。
僕は警察署に電話して、最後の捜索確認をした。答えは、出ていないとのことだった。そうして、僕はお金を用意して、動物病院に向かった。
動物病院に着くと、後ろ足は動かないが、元気になった助けた猫がいた。
獣医さんと僕は、どれっと王国さんの到着を一緒に待った。
やがて、1台の車が入って来る。どれっど王国の車が来た。
「どうもー。どれっと王国です」
どれっと王国の職員さんが車から降りて来る。
僕の助けた猫をゲージに入れ、乗って来た車の後部座席に乗せた。
後部座席のドアを閉めようとした時、僕は職員さんに声をかけた。
「あの、すみません。この猫の名付け親になっても良いですか?」
「いいですよー」
そうして僕は助けた猫の名付け親になる。
「タマ」と名付けた。
そうしてもうひとつ訊きたいことがあったので訊いた。
「あの、タマにたまに会いにいってもよろしいですか?」
「いいですよー。但し、うちの住所は誰にも教えないで下さいねー」
すぐに答えが帰ってく来た。
住所を誰にも教えない。それはそうだろう。どれっど王国さんの住所が公表され、捨て猫に溢れてしまったら、猫の世話もタダではない。そんなことになったら、どれっと王国さんが壊滅してしまう。
僕はそのことを了承し、どれっど王国さんの車が動物病院を去って行くのを見送った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます