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本日は検診の日。宝之華ちゃんと一緒に行く。
待ち時間暇すぎるからね。
「高原さん、どうぞ」
「川中先生がうちによく来るのよねー。先人どんだけ頼られてんだか」
「あのー、柚香さん呼ばれてますよ?」
「え?私?」
「高原さん」
「あ…私高原だった」
「うっそまじっすかー!まだ慣れないとかーうけるんですけどー」
「うるさいなーも!行ってきまーす」
ああ恥ずかしい!
若者のくせに私をおちょくって!
だって、私は小田原姓が長いのよ?
教師やってたし、そう名乗るが普通だったし。
宝之華ちゃんなんかまだ若いんだから、順応するのも早いわよ、そりゃ。
帰って先人に話す。
「高原って呼ばれるのに慣れないんだけど」
「そう?」
「そりゃ先人は変わらないからいいけどさー、いきなり変わってもなかなか馴染めないわけよ」
「ふーん」
先人は興味なさそう。顔に書いてある。
それでも、聞こうとするのがやっぱり先人の信頼度に繋がるのかな?
「宝之華ちゃんは、性別まだ聞いてないって言ってたよ」
「ふーん、なんで?」
「産まれてからのお楽しみだって」
「へー?」
「先人、名前は考えた?」
「まぁ、なんとなくは」
「ちゃんと決めてよねー?」
「決められなかったら柚華に任せるから」
こりゃ、決められなそうな予感。
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