第22話

食事を終え、宝之華を自宅へと送った。


「はぁーっ。今日は、大変でしたね…。なんかいろいろ面倒でした。マネージャーのせい!」


「そうですね」


「クリスマス気分じゃないし~!」


「確かに…」


「でも、零さんとデートできてよかったです!」


「それはよかったです」


「あ、そーだ!これあげます!クリスマスプレゼントです~」


宝之華はなにか袋を差し出した。


「あ、ありがとうございます」


僕は何も用意していない…。


「これ、職場の人からもらったんですけどーおすそ分けです。ただのお菓子だと思われますよっ!」


ふふっと彼女は笑顔になる。彼女の笑顔を見ていたら不意に…


キスしていた。


「え、あ、ごごめんっ」


自分の行動に動揺してしまった。


「?」


彼女も驚いて、大きい目をさらに丸くしていた。


「く、クリスマスプレゼントということで…」


言いながら、恥ずかしくなり俯いた。


「ありがとうございます!嬉しいです」


彼女は笑顔だった。自分がますます恥ずかしくなった。


「や、あの、ごめんなさい。今日は…帰ります、ね」


そそくさと彼女の家を出た。


…キスなんて初めてした。


彼女があまりにかわいかったから。

クリスマス気分とはこういうことだろうか?

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