第21話

「それでは、今日はもう帰ります。実くんありがとう」


「私も帰ります!これ、どうもありがとうございます」


「うん!ほんとは、肉じゃがをたくさん食べて欲しかったんだけど、また今度だね」


なぜ肉じゃが?クリスマスとは関係ないじゃん。…実さん、やっぱ変。

バーには知人しかいなかったし、マネージャーは行っても意味なかった。エステとか無駄な出費だったしー

まー、私は仕事終わりの格好だったから、オシャレしてんだけどー!それにしても、スッピンの私どんだけブスなんじゃ!

店を出て、てくてく歩いていたら、ふと思い出した。


「私~何にも食べてない!」


「そうでしたね。では、ファミレスでも行きますか?」


「はい!」


ホールケーキ持って行くの嫌だけど、腹減ったし。もう、どうでもいいや。

なんとなくうどんな気分だった私。クリスマスとまるで関係ないしー


「僕が払うので、遠慮しないでくださいね?」


と言われたけど、うどんでよし。


「零さん、ありがとうございます。ではいただきます!」


おごってもらうのって、いいよね。零さんの金が減ってちょっと申し訳ないけどさ。


「零さんは?食べないの?」


「もう遅いんで。それに少しだけ肉じゃがを頂いたので」


「そ?じゃ、食べたらすぐ帰りましょう。疲れたしー」


「はい」


ケーキもあるし。


「あー!零さん、そういえば洋服ですね!」


「そうですね。変ですか?」


「いや、普通だったから気づかなかった!」


「それはよかったです。実くんが選んだからよかったものの、自分で選んだらおかしくなりそうです」


「…確かに!」

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