ラップ&ホップ

ラップが奏でる、この世界。

人生って甘くないね。

でも、君のスウィートな記憶はスウィーティー

香茶を一杯、それは、おいしい味だね。

でも一杯くらいにしとく方が、いい感じ。

そう、これは、甘い記憶の通り道。

ずっと、信じられることは、本当に苦しいね。

でも、大丈夫、人は、そういうもの。

ホームランをかっ飛ばして、空の彼方。

それで、軽いめまいが、僕を叩きおこした。


ライムが語るディスコティック。

繰り返し韻をふむ、それで、幸せ。

君の心は偽りでも、何でもない。

眩暈。そう、生きることは、眩暈の連続。

でも、細かいことはどうでもいいんだ。

本当に気付いた。けど、それは夢をくれた。

中空に舞う、天使のような、眩暈。


ラブレターは、敗れた。

僕の、眩暈。

そう、恋は、ただ夢見るだけの、夢の中。

君は、ハートブレイカーの、女の子

でも、強い、でも、僕は単なるフール、でも、ピエロではない。

ありがとうと言いたい。離れた。そして、くっついた。また離れた。

恋はそういうもの。当たり前の気持ちが、当たり前でないことはある。

僕はポップ、ポップス、ロックンロールにはまだ行かない。でも、君への思いは、偽りだった。そして、君は別の道で、恋をする。ミツバチだって、恋をする。花に触れる、そのたびに、受粉して、また空へとかえる。帰りついたら、カエルが帰る。だから、君はお帰り、花は、ミツバチを選ばない。ミツバチが花を選ぶ。

犬が吠える。月夜の晩に、のんきな声で。そしたら、君は言う。

「あなたって、本当に呑気だね」

「そう、クレイジーなフール」

「それでいいわよ」

「それでいいね」

 僕らは目を合わせて笑った。

それで、うれしくなって、呟いた。

「奇跡みたいな日があるね」

「それは、人生の、恋の賞味期限」

 きっと、僕は、食べ損ねた蜜を吸う、ミツバチ

 ミツバチだって、花を選ぶ。

 花は、揺れる微風の中で、今を待つ。

 そして、雨が降れば、ミツバチは、陰に隠れる。

 まるで、恋の駆け引きみたいだ。

 

 ミツバチは、蜜をすった。そして、蜜はなかった。

 でも、ミツバチは、羽を休めたら、また違う花を探した。

 ミツバチは、こう言った。

「色々、色々、花は色々」

 それで花は、こうこたえた。

「さようなら」

 僕はこう返す。

「それで、いいよ」

 僕はこういう。

「蜜のように甘い人生はないね」

 花はこう答える。

「あなたを好きだった、でも、あなたは、フールすぎた」

 僕は言う。

「違うクレイジーなだけなんでよ」

「一緒だよ」

空がまた曇る。それから、花は雨の雫に涙にくれた。

僕はこう言う。

「まあ、いいじゃないか。どうだって」

いずれにせよ、他の蜜に向かう。現実は止められない。

衝動はリビドーのように、ドラマを盛り上げる。

 そして、エンドロールが近づくとき、君は言う。

「幸せになってね。私はもう行くわ。あなたと出会ったのは笑劇だった」

 僕は言う、

「でも、僕の記憶は笑劇ではない。悲劇だった。でも、僕は」

 ラップが韻を生む。

 軽くかわして、川の中へ飛び込んで、カエルのなく故郷へ帰る。それから、君がまた言う。

「バカ」

 僕は笑う。

「そう、僕はバカ」

 さようなら愛しのエリーゼ

 ベートーヴェンの曲ではない、それは、どこにでもありそうなポップソング。

軽く、飛ぶ、空を飛び出て、飛んで、ちょうちょが、網を抜け出て、かわしていく。

 あたりまえ。

 恋は自由だから。

リベラルバットフリーダム。バッドマンはバットでボールを打つ。

空の向こうへ、かっ飛ばせば、烏にあたる。

痛いなとカラスが泣いて、僕は笑う。

花の記憶はカラスが忘れる。のんきな小鳥がそばで笑う。

「君は、本当に、フール&デストロイ」

 僕は答える。

「それを言うなら、サーチ&デストロイだろう」

「誰の曲」

「さあ、検索すれば解るよ」

 僕はスマホで検索する。

 そして、スマホを置いて、こう言った。

「さようなら黄昏の煉瓦道」

 記憶は忘却へとかえり、やがて永遠によみがえる。

「こんにちは、さようなら、そして、こんにちは」

ジョークだよ。

 と言って、僕は笑う。

 そして、失恋は失恋する前に、終わっていた。

 本当に、僕はフール&デストロイ。

 大馬鹿なデッド・カン・ダンス。

 そして、ダンスが続く。くるくる回る頭の中で、ダンスが、ダンクを決める。

 ナイス、ダンク! と君は言う。

 僕はバッドダンスを踊る。

 リズムに乗って、指を鳴らし、踊りあかす。

 不意に頭に横切る。デッド&アライブ。

 決闘だよと誰かが言った。

 僕は、こう返す。

「血糖値が高いんだ」

「そう、なら慰藉でもいけば?」

「そうだね、僕は医者に行く。慰藉に行く前に会社に行く」

 僕は、笑って、家を出た。そして、夕には帰ってきて、デッド・カン・ダンスを聴いた。


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