魔法使いの国の魔法使い

お茶漬け

魔法使いの国

 昔々、この世界には『魔法使いの国』と呼ばれる国がありました。

 かの国に暮らす魔法使いは老いることがなく、他の魔法使いとは一線を画す力を持つとされていました。



 魔法使いの国。その名を、ヴィレオラ。



 外の世界と関わりを持たず、決して他国の人間を受け入れないことから、『断絶の国』とも呼ばれていたヴィレオラ。小さな国でありながらも、保有する戦力は大国にも勝ると噂されていました。



 しかし、魔法使いの国ヴィレオラは、突如として滅んでしまいました。



 魔法使い同士の争いによるもの。あるいは、彼らの手に負えないような外敵の襲来。滅亡した理由には諸説ありますが、かくして、魔法使いの国は終わりを迎えてしまったのです。






……そして、それから短くとも長い年月が過ぎ、時代も、世界も、幾度も移り変わっていきました。







「……どこだ、ここ」







 そうして、彼女は目覚めたのです。老いることのない永遠なる少女、魔法使いの国の魔法使いが。

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