第25話 私たちはGW④
千林から商店街を通って午前中の会場である常翼学園まで歩く。
「おはようございます。」
「おはようございます!」
門の前には先輩たちがもう着いていて、私たちはそこそこ遅めだったみたいだ。
「おは、憲士。」
「遅ぇな。俺10分前ぐらいに着いたんやけど。」
「まだ集合時間前やからだいじょーぶですー。」
近くにいた憲士とそんなことを話して、荷物を置く。軽く20分くらい歩いてきたから疲れた。
「よおーっす!」
「おはよ。」
「おはよミコ、史帆。ミコはちゃんと起きれたんやな。偉い偉い。」
「うるせぇ。もっとほめろ。」
残りの女子2人は私たちよりも早く着いていたらしく、二人羽織みたいな格好になりながら歩いてきた。
「2人とも外のプールはいつぶり?」
「私は去年の秋の大会以来。ミコも一緒やんな?」
「せやな。それくらい…なきがする。」
そんな話をしていると、男子たちが近寄ってきた。
「なんやパンパン。」
「何もねぇよ。」
パンパンというのは楓さんから紹介してもらった、留年したタメ。本名は吉田太陽。この前は…なんかタメって感じがせぇへんから忘れてた。
そんな感じで結局10人の私たち1年生。雰囲気はそこそこいい。今の2年、3年と比べたらそんなにだが、これからもっと仲を深めていったらいい。
河川敷の方から先生が歩いてきた。顧問の江住先生だ。
「全員揃った?揃ってるな。んじゃ、中入って体操しよ。」
先生に連れられて、校内に入る。荷物をそこら辺に置いて、体操をして、1度集合した。
「とりあえず、今から河川敷行ってダイナミックストレッチとランニングするから、荷物持って移動な。そこから水中やから。」
『えーい。』
荷物を持って、すぐそこにある河川敷に移動する。めちゃくちゃ日焼けしそうやけど、日焼け止めは塗れないから諦めだ。
ダイナミックストレッチは和香さんに教えて貰いながら、さっさと終わらせる。どの動きもそんなに難しい訳ではなく、やったことがある動きもあった。
「ランニング行くでー。この階段登って…」
『えぇーっ!』
「…この階段登って〜、向こうの坂んところまで走って…」
『えぇーっ!』
「…お前らもっと距離伸ばすで。」
『それは嫌!』
この流れはどうやらお決まりとなっているみたいだ。先生も笑いながら言っているから慣れている。
「そんで戻ってくる。これを3周。異論反論は認めない。行ってこい!」
半分投げやりに先生が言って、加太先輩を先頭に私たちは走り始めた。
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