君は僕の手を

あお

第1話 始まり

僕は蒼カケル小学校のどこにでもいるごく普通の小学6年生だ。

今日もいつものように学校に登校している。快い風が吹き、髪がなびく。

「おはよう!」

振り向くと、幼馴染の斉藤香奈がいた。幼稚園から親同士も仲がよく、いつも一緒だったが、小学校に入ってから気まずくて、自分の方からあまり話しかけられない。

すぐに通学班が集まり、学校へ向かう。僕は副班長だから、1番後ろから見守る。まだ完全に目が覚めていない。ぼうっと学校へ向かった。

教室に入ると、真っ先に親友の赤井志雄が

「お前香奈のこと好きだな?」

と聞いてきた。香奈は幼馴染だが好きなわけ…

僕は顔を赤らめながら

「ちっちがうしっ」

と思わず声を上げた

「本当に〜?」

志雄面白そうに僕の顔をうかがう。

「本当だ!」

志雄を振り切り、廊下へ駆け出した。

廊下からも「カケル君って香奈ちゃんの事好きなんだぁ〜」と聞こえる。クラス全体に広まり、僕は大焦りだ。もし香奈に言われたら…

「絶対やだあああああああ」

声に出してしまい、慌てて口を塞ぐ。

1時間目のチャイムが鳴った。みんな急いで席に戻る。

こうして、物語は始まったのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る