第37話 忙殺

「仕事は年度をまたぐと、落ち着く!」

 …と言われた。


 実際、去年の今頃も、年度末の喧騒ドタバタが嘘のように暇になるものだった…のであるが。


 気づけばに突入した現在…。

 年度を跨ぎ、絶賛残務処理ねんどまつのしごとの真っ最中である。


 おかげさまで、諸々の作品群の定期更新がトコトン滞ってしまった男である。

 まぁ、三日坊主を旨とする男にとっては、好都合?なのかもしれないが…。


 にしても、「忙殺」とはよく言ったものである。

 連日の残業祭りに休日出勤おかわりが付いた、デラックス勤務の日々は、心身を蝕んでいく。


 朝起きて、何だかんだで準備を済ませ、出勤する。

 会社じゃ、愚痴を溢しながら、残業までこなして帰宅する。


 帰宅すれば、一日はほぼ終わっている。

 夕飯食って、風呂に入り…時計を見れば、あっという間に明日がやって来る。


 まぁ、日々の生活にカマケていると、嘲笑されれば、それもまた然り…なのだが。


 そうこうしているうちに時間だけは確実に流れていく。

 川の流れのごとく、留まることを知らずに、人を未来あしたへ押し流していく。

 思考の時間も得られず、もがく気力も失せていく。


 忙殺…忙しさに押し殺されていく。

 この言葉に対する恐怖とともに、抗うことの敵わない己の非力に、茫然自失となる男。


 さてさて、この悪夢はいつまで続くのやら…。

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