第30話 別れ

 人生は、出会いと別れの連続の様なものである。

 また、別れは一時の事もあれば、今生のものも有る。


 新車の入れ替えを皮切りに、今生の別れが重なっている男である。


 あしかけ17年乗りつづけた旧型車の買い替え。


 叔父と叔母の相次ぐ逝去。


 そして、本日『1月18日』に、7年間一緒に暮らしてきたウサギを荼毘に付した。


 思えば、熊本震災を共に経験し、今日までやってきた家族でした。


 すいません、男、少々目の前が滲んでいます。


 亡くなったのは、二日前。

 翌日は男の誕生日。

 なんだか、最後まで人懐っこいウサギでした。

 亡くなった後も、なんだか眠っているような穏やかな顔で、朝になったら『外へ出せ!!』と言い出しそうな勢いです。


 でも、起きることはありません。

 最期を看取りましたので。


 息を引き取る刹那に、微笑んだ様な記憶が残っています。

 それを確かめられるのは、彼岸の向こうに行った時だけですね。


 この子とは、今日でしばしのお別れです。

 次に会うときは、懐かしい人々と一緒になるのでしょう。


 その日まで

 生かされ続ける限り、男は男として生きていきます。


 区切りの歳に、

 このような大切な時間を与えてくれたウサギに感謝です。


 リン、おやすみなさい。

 今度は、虹の橋の上で『うさんぽ』しような。

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