無能で有能な相棒

竹屋 柚月

00.プロローグ

 一人の男の子が、自分より一回り以上も小さな少年を蹴り飛ばした。彼は小学生にしては上背があり、体格もがっちりとしていて高校生とも張り合えそうな迫力がある。

 対する吹き飛ばされた少年は、同じ年とは思えないほどひ弱に見えた。


 その周囲では、小さな男の子が飛ばされるたび歓声が沸き上がる。

 少年が何度目かに地面に転がされたとき、やっと解放する気になったようだ。彼らは満足げにその場を去っていった。


 その背中を少年は強い瞳で睨みつけた。

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