8日目

僕はこれから服を買いに行こうとしていた。なぜ、服を買いに行くのかって。

明日、美久とお出かけをすることになったため来ていく服がなく買いに行くことにした。でも、中学生では限度があるので買うかは分からないけどとりあえず行ってみようと思う。駅近くのシロクロと言うお店に行くことにした。ここなら、安く済むので中学生にはありがたい。僕は着々と準備を進めていた。準備が済むと家族にバレないようにこっそりと家を出た。


それから、何事もなくシロクロに着いた。このお店は男性と女性の両方の服を扱っているのでもしかしたら美久にも会う可能性だってあるが流石にいないだろう。僕はそう思いながら男性用の服のコーナーに向かった。


向かったはいいもののどんな服が自分に似合っているのか分からなかった。とりあえずいいなっと思うものを手にしてみるけど全部同じようなものばっかり選んでしまう。色も気にしないと暗い色の服しか選んでいなかった。僕は、これじゃ駄目だと思って一番いいなっと思った奴だけ手にしようと決めた。


結局、自分が良いなと思ったものは一着だけだった。そんなに買う余裕なんてないので一着だけで我慢することにした。僕はアウターみたいなものを一着だけ持ってレジに向かった。


レジに着き、会計を終えてお店から出ようとしたとき見覚えのある後ろ姿が見えた。僕は、声をかけようか迷いはしたが結局声を掛けることはしなかった。なぜなら、いまの自分の服装を思い出したからだ。全くおしゃれな服を着ていなかったから美久に迷惑を掛けそうだと思い声を掛けるのをやめた。この時、美久は僕の事に気づいていたが僕は気づいていないと思っていたため僕はそのまま出口を出た。


ーー美久ーー


「なんで、声かけてくれなかったんだろう。」


私はちょっと不機嫌になった。このお店にきてからずっと見ていたのに。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る