3日目
僕は、これから美久と一緒に部活の見学をする。だが、最初はどこに行くのかを知らない。だが、校舎を出ないという事は運動系の部活は見学しないのだろう。美久に付いて行ってみると音楽室に着いた。美久が音楽室のドアを開けて、中に入っていった。僕は美久に付いていき中に入った。ここは、吹奏楽部だった。
吹奏楽部の見学は1時間で終わった。
僕は、正直興味がなかったため話の内容は全く分からなかった。けど、美久が興味あるみたいで熱心に話を聞いていたのは覚えている。あんなに熱心に聞いているときの顔の美久は見たことがなかった。そんな顔をしている美久を見ているのはちょっとだけ面白かった。部活の見学が終わり、音楽室から出た。音楽室から出て美久の後を付いていくと美術部の教室に着いた。美久は後ろを振り返った。
「次は、美術部の見学ね。それじゃ、教室入ろ。」
僕が返事をする前に美久は教室に入っていった。僕は思った。これ僕が見学したいところいけないパターンだと。仕方がないのでつきあうことにした。一緒に部活の見学をする約束をしてしまったことに僕はいまさら後悔した。教室に入ったら、後ろの席に隣同士で座った。美術部の見学は、説明だけだはなく実際に絵を描くことになった。お題は、隣の人だった。僕は、思わず帰ろうとした。それを美久に止められた。
美久はやけににやにやしていた。とてもウザかった。そのにやにやよしてくれと思ってしまった。僕は帰ることは出来ずに隣の人(美久)を描くことになった。
絵は貸し出しのクロッキー帳に描くことになった。僕は美久の方を向き、クロッキー帳を持って描きだした。美久も僕の方を向き、クロッキー帳を持って描いていた。
「光希君、上手く描いてね。楽しみにしているから。」
「出来るだけ頑張ってみるよ。」
美久が凄くにこにこしていた。そんなに期待されても困る。僕は、書いて思った事がある。同時に絵を描いたら同じような絵にならないかと。だって、クロッキー帳を持っている人物を書いているということは皆同じだから。まぁ、でも美久に自分が真剣に描いている姿を見られないと思うと逆に良かったのかもしれない。
それから、絵を描き始めて15分が経って絵が描き終わった。美久も終わったらしく二人で見せ合いっこした。美久の絵を見て思った。レベルが違うと思った。僕は、自分の絵がどれだけ下手が思い知らされた。美久は、僕の絵を見てにこにこしていた。
「光希君、頑張って描いたんだね。伝わってくるよ。」
「ありがとう。そう言ってもらえるだけで嬉しいよ。」
正直、僕は笑われると思ってた。でも、言われなかった。何かうれしかった。これで美術部の見学が終わったと思い、席を立ちあがった。美久にクロッキー帳を掴まれた。クロッキー帳を奪われ、描いた絵をクロッキー帳からちぎり自分のカバンに入れた。
「東さん、何してるの?僕の絵なんて持って帰っても意味ないよ。」
「私にとっては意味があるからいいの。」
僕は、美久が描いていたクロッキー帳を渡された。
「私のもちぎって光希君が持って帰っていいよ。」
「じゃ、もらっていくね。」
それぞれ絵を貰って教室を出た。出たら外は夕方になっていた。それからは二人でかえることにはならずに別々で帰った。今日は色々あったから一緒に帰らなくてよかったと思う。僕は、バスに乗って家に帰った。
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