第6話 この世がどうなろうと

第6話 この世がどうなろうと Part1

「過労ね」


理羽が呼んだのだろうか、数人が現れ、手際よく瀬山を運んでいく。


「理羽、なんでお前が…」


知介が問う。


「瀬山さんに頼まれたの」


**********


<回想>


「私だ。

次は私が行く。

もしもの時は、任せたぞ」


瀬山と理羽が話す。


「もしもの時?」


「恥ずかしながら、私の体は悲鳴をあげているようだ。

この1年、金貨翼が目を覚ます前に六繋天を回収せんと躍起になっていた。無理をしすぎたようだ。

次に彼らと戦った時、私がどうなるかは分からない。

万に一つ、私が敗れた場合、その後の勝負は澄湧壮人に任せる予定だった」


「だった?」


「彼のような人間は、土壇場で才能が開花する。

だが、その反面プレッシャーに弱いという短所も…。

彼が再び逃げ出したその時は、君に頼みたい」


「確かに彼、気が弱そうだもんね」


**********


「知介さん。あの人は?」


「存財理羽。

昔はよく、俺達と一緒にいたんだ。

お前達は、入れ違いだったから知らないと思うけど…」


「あー!」


突然叫ぶ充快。


「な、なんだよ急に!」


「あの人、テレビとかでたまに見るよ」


「理羽は役者だからな」


「知介さん、有名人と知り合いなんてすげー」


「まぁ、私、そんなに有名じゃないけどね。

そんなことより、はやく勝負しようよ」


理羽はピアス型の起動スターターをオンにする。


「はい」


壮人の起動スターターは懐中時計だった。


「五仕旗…」


「3rd Generation!」

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