第5話 再戦

第5話 再戦 Part1

「(戦力の偏りを避けるため、多種多様な人材を探し、投下してきたが、あちらに2勝されてしまうとは…)」


瀬山がよろめく。


「(くっ…時間はあまり残されていないか。

ならば、次はこの私自らが再び…)」


瀬山が誰かに連絡する。


「私だ。

次は私が行く。

もしもの時は、任せたぞ…」


**********


<廃墟>


「しかし驚いた。知らない内に風増が1勝してるんだもんな」


「俺もびっくりしたよ。息抜きくらいかと思ってたら、真剣勝負なんだから」


「あと2勝すれば、2枚の六繋天が手に入る」


「でも瀬山って許せねぇよな。

何も知らない奴を巻き込んで、六繋天取ろうとしてさ。

あいつのせいで"目のクマ"終わったらどうすんだよ!」


「そこ?…。

でも、店のことで弱ってる店長を利用するのは許せないな」


「あの人、金貨visionの人なんでしょ?

やっぱ金貨が、俺たちに逆恨みしてるのかな?」


「まぁ、そう考えんのが妥当だな」


「でも金貨が復讐したいと思ってるなら、自分で殴り込んできそうなもんだけど」


「それもそうだ。

わざわざ瀬山あの男を使う理由も分からん。

あいつ、ホント何なんだ?」


瀬山については調査をしても、有益な情報は得られなかった。


「金貨みたいに、六繋天を使って悪いことしようとしてる風には見えないんだよな」


「手がかりなし…か」


皆が沈黙する。


「そうだ、みんな」


知介が口を開く。


「なに?」


「その瀬山から、またもやお便りが届いてたぞ」


「それを早くだせ!」


**********


<金貨visionのスタジアム>


夜。


「ご無沙汰しておりますって感じだな」


三人が招かれたのは、1年前、充快と金貨がイベントで戦ったスタジアムだった。


「俺、ここに来ると嫌なこと思い出すんだよな」


金貨との勝負を回想する充快。


「ようこそ。弊社のスタジアムへ」


三人の向かいから、瀬山が現れる。


「今日も誰か別の人間を用意してんのか?」


「いや、今日は私が相手をする」


その言葉に充快が反応した。


「それなら、こっちは俺が」


「ほう、君が」


「負けっぱなしってのは気に入らないんでね」


その様子を澄湧壮人は物陰から見ていた。


「(この勝負で層上充快が勝てば、最終戦は俺が…)」


**********


<回想>


社での二戦目の後。


「困ったな…。

敗北ならまだしも、勝負自体していないとは。

その守り神とやらが二人をまとめて倒してくれたおかげで、こちらが2勝できたのはよいが」


「すみません…。

やっぱり、俺には五仕旗の才能は…

今回の話はなかったことにしてください」


「いや、君には勝負が3対3になった場合、一番最後に戦ってもらう」


**********


「(あんなこと言われたけど、やっぱり俺には…。

ここは瀬山さんの勝利を祈るしかない!)」


両者が起動スターターをオンにする。


「五仕旗…」


「3rd Generation!」

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