第1話 舞新星 Part2(ゲーム)

層上充快 vs 名称不明


TURN1

(充快のターン)


「俺の先攻! 【アサルト・ライノ-ダッシュ】を召喚!」


【アサルト・ライノ-ダッシュ】

固有ターン1 通常攻撃力600

効果なし

(突進するのが得意なサイのモンスター。走ること以外は基本的に何も考えていない)


「ターン終了」


手札

充快:5枚

名称不明:5枚


TURN2

(名称不明のターン)


「私のターン。【ラストロングホールド】」


【ラストロングホールド】

固有ターン1 通常攻撃力200

通常効果:???

(頼りない見た目をした剣士。外見に反して気合は十分である)


「バトル。【ラストロングホールド】で攻撃!」


「(攻撃力が低いのに攻撃してきた!)」


【ラストロングホールド】通常攻撃力200

          vs

【アサルト・ライノ-ダッシュ】通常攻撃力600


剣による攻撃を【ダッシュ】が身軽にかわし、反撃する。

【ラストロングホールド】は破壊された。


「迎撃による破壊なので私にダメージはない。

そしてこの瞬間、【ラストロングホールド】の効果を発動」


倒した剣士が、去り際に落とした剣が起き上がる。


「このモンスターが破壊された時、私のモンスターデッキにカードがなければ、相手のモンスターデッキの枚数1枚につき、100ポイントのダメージを与える」


【ラストロングホールド】

固有ターン1 通常攻撃力200

通常効果:このカードが破壊された時、自分のモンスターデッキのカードが0枚なら、相手のモンスターデッキの枚数×100ポイントのダメージを与える。

(頼りない見た目をした剣士。外見に反して気合は十分である)


「モンスターデッキにカードがなければって…」


「まさか!」


「そう。私のモンスターデッキのカードは【ラストロングホールド】1枚のみ!

よって、今の私のモンスターデッキにカードは残されていない!」


「!?」


「バカな! あいつ、モンスター1体しかデッキに入れてねぇのかよ!」


「君と私のモンスターデッキの枚数差は11枚。

したがって、1100のダメージを受けてもらう!」


剣が充快を貫く。


「う!」


充快の累積ダメージ:1100(0+100×11枚)


「攻撃側の私の場にモンスターがいないことで新たなモンスターを召喚しなければならないが、私に残されたモンスターはない。

よって、このモンスターを召喚する!」


架空先兵イマジナリー・モンスター

固有ターン0 架空攻撃力0

効果なし

(プレイヤーが切羽詰まった時、申し訳程度に召喚されるモンスター。仮の姿として相手モンスターの姿と同じになる)


場に光の球のようなモンスターが召喚された。

その球は白くなったり黒くなったりと色が安定せず、落ち着きがない。


「【架空先兵イマジナリー・モンスター】!?」


「【架空先兵イマジナリー・モンスター】は固有ターン0で効果はない。さらに、攻撃状態は架空攻撃状態となる」


「通常攻撃状態ですらない。これじゃあ他のカードと併用することも難しいんじゃ…」


架空先兵イマジナリー・モンスター】は【アサルト・ライノ-ダッシュ】に形を変える。


「私はこれでターン終了」


「あいつはあのモンスターを場に出すためだけに、最初からモンスターデッキを1枚にしていたってのか?」


手札

充快:5枚

名称不明:5枚


TURN3

(充快のターン)


「俺のターン。

(【架空先兵イマジナリー・モンスター】。

攻撃力は0だから、攻撃力の高いモンスターで攻撃すればダメージを与えることができるけど…

何の考えもなしに召喚するとは思えない。

ここは…)

【アサルト・ライノ-ダッシュ】を墓地に送って、

【アサルト・ライノ-ラッシュ】を召喚!」


【アサルト・ライノ-ラッシュ】

固有ターン1 通常攻撃力600

通常効果:サモンフェイズで「アサルト・ライノ-ダッシュ」を墓地に送った後で召喚した場合、このターンこのモンスターは固有ターンの高いモンスターと戦闘する場合破壊されず、そのモンスターを効果により破壊する。(勝利して破壊した場合はこのモンスターの攻撃力分の効果ダメージを与える)

(突進するのが得意なサイのモンスター。

一度集中すると、どこまでも深追いできることは魅力)


架空先兵イマジナリー・モンスター】が【ラッシュ】に姿を変える。


「(【アサルト・ライノ-ラッシュ】は【ダッシュ】を墓地に送っている場合、そのターンの戦闘で破壊されず、固有ターンが高いモンスターを破壊できる効果がある。

俺の手札には固有ターンを上げられる【仮の称号フェイク・タイトル】がある。

あいつが何か仕掛けてきても、このコンボで…)」


仮の称号フェイク・タイトル

伏兵カード

発動条件:場にモンスターがいる場合。

効果:モンスター1体の固有ターンを最大5まで上げるか下げる。


「バトルフェイズ!」


【アサルト・ライノ-ラッシュ】通常攻撃力600

       vs

架空先兵イマジナリー・モンスター】架空攻撃力0


【ラッシュ】の突進が【架空先兵イマジナリー・モンスター】に向かう。

だが、男は少しも動く素振りをみせない。


「(まさか、何もしないのか?)」


あっという間に【架空先兵イマジナリー・モンスター】は破壊されてしまった。


名称不明の累積ダメージ:600(0+600)


「なにもせずに破壊されるなんて…」


「あいつ、何考えてんだ?」


「た、ターン終了」


手札

充快:5枚

名称不明:5枚


TURN4

(名称不明のターン)


「私のターン。サモンフェイズ。

私は2体目の【架空先兵イマジナリー・モンスター】を召喚!」


架空先兵イマジナリー・モンスター】(2体目)

固有ターン0 架空攻撃力0

効果なし

(プレイヤーが切羽詰まった時、申し訳程度に召喚されるモンスター。仮の姿として相手モンスターの姿と同じになる)


「また同じモンスター…」


「ターン終了」


「!?」


「(あの男。自分から勝負を挑んでおきながら、本当に勝つ気があるのか?)」


手札

充快:5枚

名称不明:5枚


TURN5

(充快のターン)


「俺のターン。

(相手の考えが全く読めない。

このまま攻撃を繰り返していいのか?…

でも、やるしかない)

来て!【蒼穹そうきゅう弓獅きゅうし】!」


蒼穹そうきゅう弓獅きゅうし

固有ターン5 通常攻撃力1500 中距離攻撃力1800

中距離効果:相手モンスターに勝利して破壊した時、(相打ちは除く)自分の累積ダメージが2500以上なら、その時のダメージに攻撃力の差を追加する。

(ボーガンを携えた獅子。青い鎧をその身に纏い、厚い岩盤をも貫く矢を放つ)


鎧を纏った獅子が両足で立ち、手に持ったボーガンで狙いを定めている。


その様子に呼応するかのように、【架空先兵イマジナリー・モンスター】も姿を変える。


「(これが、彼の持つ六繋天)」


「さらに、伏兵リアクターカード、【名案を齎す魂ソウル・カッティングエッジ】」


名案を齎す魂ソウル・カッティングエッジ

伏兵カード

発動条件:自分のモンスターデッキにカードがある場合。

効果:モンスターデッキからモンスター1体を墓地に送り、そのモンスターの固有ターン×200ダメージを受けることで、そのモンスターの通常攻撃力600につき1枚ドロー。


「モンスターデッキから1枚を墓地に送り、そのモンスターの固有ターン×200ポイントのダメージを受けることで、そのモンスターの通常攻撃力600につき1枚をドローする。

俺は固有ターン7の【蒼穹そうきゅう弩弓獅どきゅうし】を墓地へ」


充快の累積ダメージ:2500(1100+固有ターン7×200)


「【蒼穹の弩弓獅】の通常攻撃力は1500。

よって、2枚をドロー!」


充快の手札:6枚


「(これで彼の累積ダメージは2500に達した。

狙いはこちらか)」


「バトル!

【中距離攻撃】発動!」


【蒼穹の弓獅】中距離攻撃力1800

       vs

架空先兵イマジナリー・モンスター】架空攻撃力0


「【蒼穹の弓獅】の中距離効果!

俺の累積ダメージが2500以上あるので、モンスターの攻撃力の差だけ、相手に与えるダメージが増える!」


「これが通れば奴に3600のダメージだ!」


【蒼穹の弓獅】が構える。


降新星ペネトレート・スーパーノヴァ!」


矢が偽物の【蒼穹の弓獅】を貫いて破壊した。


「勝っ…」


男の場でカードが発動している。


「!?」


【借り物の抱擁ほうよう

伏兵カード

発動条件:ダメージを受ける場合。

効果:モンスターを1体指名し、相手のモンスターデッキにそのモンスターがいれば、そのモンスターの通常攻撃力分のダメージを軽減する。

相手の場に特殊攻撃状態のモンスターがいて、指名したモンスターがそれと同じ種類の特殊攻撃力を持つ場合、その特殊攻撃力分、ダメージを軽減することもできる。


「伏兵カード【借り物の抱擁】。

これで私は、君のモンスターデッキに控える【スナイプ・ストレンジャー】の特殊攻撃力1300分のダメージを軽減した」


3600のダメージが2300に。


名称不明の累積ダメージ:2900(600+2300)


「ギリギリで持ち堪えたか…

ターン終了」


手札

充快:5枚

名称不明:4枚


TURN6

(名称不明のターン)


「私のターン!

3体目の【架空先兵イマジナリー・モンスター】を召喚!」


架空先兵イマジナリー・モンスター】(3体目)

固有ターン0 架空攻撃力0

効果なし

(プレイヤーが切羽詰まった時、申し訳程度に召喚されるモンスター。仮の姿として相手モンスターの姿と同じになる)


架空先兵イマジナリー・モンスター】は【蒼穹の弓獅】に姿を変える。


「バトル!

架空先兵イマジナリー・モンスター】で【蒼穹の弓獅】に攻撃!」


「攻撃力0で攻撃!?」


架空先兵イマジナリー・モンスター】架空攻撃力0

       vs

【蒼穹の弓獅】中距離攻撃力1800


「さらに、伏兵カード【舞新星スプリンクル・スーパーノヴァ】!

これにより、私の累積ダメージが2500以上の場合に限り、【架空先兵イマジナリー・モンスター】の攻撃成立後、相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」


舞新星スプリンクル・スーパーノヴァ

伏兵カード

発動条件:自分の場に【架空先兵イマジナリー・モンスター】がいる場合。

効果:自分の累積ダメージが2500以上の場合、そのモンスターの攻撃成立後(攻撃が無効にならず勝敗判定を行った場合)、相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

この効果でダメージを与えた場合、その【架空先兵イマジナリー・モンスター】は破壊される。


架空先兵イマジナリー・モンスター】が矢を射る。


「累積ダメージ2500以上って…」


「【蒼穹の弓獅】の効果発動条件と同じ!?」


「これで私のモンスターは、戦闘で破壊されても君にダメージを与えられる!」


「くっ!

なら、【導かれし活路ヒドゥン・ルート】!

モンスターの攻撃を跳ね返す!」


【導かれし活路ヒドゥン・ルート

伏兵カード

発動条件:モンスターが攻撃された時。

効果:別のモンスターに攻撃を移す。(攻撃モンスターに返すことも可能)


架空先兵イマジナリー・モンスター】の矢が自身へと向かう。


「だが、【イマジナリー・アクセル】を重発動リリアクト

固有ターン0のモンスターの攻撃を引き金に発動した効果を無効にする!」


【イマジナリー・アクセル】

伏兵カード(重発動リリアクト)

発動条件:モンスターの攻撃を発動条件とし、効果が発動した場合で、その時の攻撃モンスターの固有ターンが0ならば、その効果に対して発動可能。

効果:その効果を無効にする。


「なっ!?」


【導かれし活路ヒドゥン・ルート】によってねじ曲げられた矢がUターンして再び【蒼穹の弓獅】に向かう。


【蒼穹の弓獅】はボーガンで迎撃する。

その矢は偽の【蒼穹の弓獅】を貫き破壊した。


「私の【架空先兵イマジナリー・モンスター】は破壊された。

しかし【舞新星スプリンクル・スーパーノヴァ】の効果!

【蒼穹の弓獅】の攻撃力1800のダメージを受けてもらおう!」


【架空の獅子】が放っていた矢が充快に刺さる。


「うわぁ!」


「層上!」


「充快!」


充快の累積ダメージ:4300(2500+1800)


名称不明の勝利。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る