第7話 固有ターン7 Part4

「こんなに強くなってたとはなぁ、風増」


そう言って店長はカードを差し出す。


「このカードたちは試作品のカードで、この前カード開発会社のイベントに出た時にもらったんだ。

試作品だけど、実際の勝負で使っても問題ないらしいから、お前にやるよ」


「でも、そういうカードって、売り物にすればそこそこの値段になるんじゃ?」


「はいはい、大きくなってそういうこと言うようになっちゃいましたか? 風増君は」


「なんだよー」


「勝ったんだから黙って持っていけばいいんだよ」


「おぅ、ありがとう」


「さぁさ、もう店は閉めたんだ。

帰った帰った」


背を向けて歩き出す風増。


「(カードってのは、本当に役立てられる人間の手に握られていればいいんだよ)」


**********


<廃墟>


「全く、この前のは誤算だった。

あんな素人に俺が敗れるなんてな。正直、六繋天のカードの力をなめてかかってたよ。

だから、思いついたわけ。

まず、1枚六繋天のカードを回収して、その上であのガキを相手にすれば、泣きっ面を拝めんじゃーん!ってさ。

そのために俺に協力しろよ。協力してくれよ! なぁ!」


廃れた建物の屋上には金貨がいた。

その反対の建物には、彼と睨み合うようにして知介が立つ。


「六繋天ってのは、対戦者が六繋天を欲して勝負しないと、勝利してもカードが移らないんだよな?

風増から聞いたよ。

今の俺は、てめぇから六繋天をぶんどろうって気持ちで体ん中いっぱいなんだが、それでも俺に勝負を挑んで大丈夫か?

やめるなら今やめないと、充快の泣きっ面を見る前に、お前の涙腺が壊れるかもしれねぇぞ」


「ほざけよ、ザコが!

お前なんてあのクソガキへの通過点でしかないことを思い知らせてくれる!」


「五仕旗…」


「3rd Generation!」


続く…


**********


「俺の【アサルト・ライノ-ダッシュ】。

効果がないモンスターって何枚か見たことあるけど、知介さんの【血肉を喰らう鰐】ってその中でも特に攻撃力が低いよな」


「確かに! でも俺だって、何の考えもなしに入れてるわけじゃないんだぜ」


「え? なんか意味あんの?」


「ある!」


「どんな?」


「それは次を見ろ!」


次回 真に他人を思える人は

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