コンサート

「うまく笑えなくてもいいよ。君が君であることが一番良い。」


会場内に響き渡る芯のある歌声。


各パートが響かせる力強い音色。


観客のスマホのライトがその空間を星空のように照らす。


日本を、いや世界も熱狂させている人気バンドSUGAKU。


今日は全国コンサートの最終公演、北海道でのライブである。

曲もアンコールにさしかかり、「自分を愛すべき理由」という曲が歌われている。

これがラストの曲ということや夜ということも相まって、会場には思わず涙ぐむ人もいた。


曲も終わり

「私がみんなが自分を愛すべき理由を教えます!!自分の愛し方を学んでいってください!!」

ボーカルである琴の声を最後に、幕がゆっくりと下がっていく。


「みなさーんありがとうございましたーー!!!!」

「気をつけて帰ってねーーー!!!」

「また会いに来ます!!待っててくださーーい!!!!」


メンバーたちが最後の別れを言いファンの人に手をふる。


こうして無事に全国公演は幕を閉じた。


**


「いやぁ上手くいった!!!今日は最高やった!!!」

充希が拍手する。ほんとこの子元気。若いって素晴らしい。


『ほんとそう!!なんか最後なきそうになったよね』

みんなのライトがすごく幻想的だったんだよね!!


「最終公演完璧だった。」

青葉もうんうんと頷く。


「明日から休みか!!」

佑樹は嬉しそうにガッツポーズ。


「明日は一日寝る!!!!」

そんな事を言いつつ、弓弦と佑樹は円陣を組んでいる。


ほんとこいつらみんな元気。若いってすばら…()



「琴姉、明日どっか行くん?」

関西まじりの言葉で充希が私に聞く。


『んー、行く予定はないかなー』


「じゃあ、明日服買いに行こうや!!もちろんお金は琴姉持ちで」


『充希…元気すぎるて…。今日からの明日なのに…。そしてさりげなく会計私持ちなの謎。』


充希「おばさん…」

佑樹「おばさん…」


『誰がおばさんや。まだ22じゃい。』


いつもこんな感じである。

最年長である私のいじりは、少しいやだいぶ酷いが、間違いなく最高のグループだと思う。


今週はゆっくり休む!!休まないとやってらんない。なんたっておばさんだからさ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る